今年の沖縄地方は異常な暑さ 猛暑日すでに6地点で7回 まとまった雨しばらく降らず
沖縄タイムス+プラス / 2024年7月12日 17時0分
今年の沖縄地方は、異常な暑さとなり、各地で最高気温35℃以上の猛暑日となっています。
本日7月12日(金)は、波照間と多良間村(仲筋)でそれぞれ35.1℃を観測しました。ほか、今年本日までに最高気温35℃以上の猛暑日を観測したのは、西表島、那覇(2日)、伊是名、久米島(北原)の4地点を合わせてると7回となっています。
那覇では7月5日と8日に最高気温35.0℃を観測しました。那覇で猛暑日を観測したのは2017年以来、また、那覇で2回猛暑日となったのは、現時点では統計のある1890年から、2017年と今年だけとなっています。2017年を振り返りながら、今年の特徴を見ていきたいと思います。
熱中症の搬送 梅雨明け後に急増
2017年の那覇の猛暑日は、7月16日に35.1℃、7月31日に35.0℃を観測しました。今年は、7月5日にすでに35.0℃に達しており、暑さのピークが2017年よりも早く到達していることになります。
熱中症の発生状況を見ていきましょう。2017年の沖縄県の週ごとの熱中症発生状況(23定点医療機関の「熱中症発生届」による集計)を6月1日から9月30日まで見てみますと、6月1週目の熱中症発生状況は1人でしたが、梅雨明けした6月22日ごろの週は81人になりました。7月16日~22日の第8週は126人に、その後も多い状態は続きました。
現在では、県の独自の統計ではなく消防庁による熱中症による救急搬送人員となっています。
〈今年の沖縄県内の救急搬送人員〉
5月27日~6月2日:17人
6月3日~6月9日: 16人
6月10日~6月16日:14人
6月17日~6月23日:101人
6月24日~6月30日:152人
7月1日~7月7日:181人
以前の熱中症発生状況と単純な比較はできないものの、今年も2017年同様に、梅雨明けの発表があった6月20日ごろの週は100人を超えるなど、“梅雨明けに急増する”傾向にあることが分かります。
台風接近もゼロ
暑さが続く原因として、まとまった雨が降らないことが関係していると考えています。2017年は8月まで、那覇への台風の接近は0個でした。
今年も沖縄地方全体で、6月、7月のこれまでの台風接近は0個となっています。6月以降、台風の発生がゼロの状態が続いています。
この先、7月後半にかけても、まとまった雨が降らずに暑さが続く予想です。適切に冷房を使用し、温度をこまめに調節する、外出の際には日傘や帽子を使用する、洋服は吸湿性・速乾性や通気性の良いものを選ぶなど、暑さを避ける工夫をお願いします。また、喉の乾きを感じていない時でも、時間を決めての水分補給を意識することが大切です。
就寝前にコップ1杯の水
7月11日(木)に「高温に関する早期天候情報(沖縄地方)」が沖縄気象台から発表されました。沖縄地方は7月17日(水)ごろからかなりの高温になる予想として注意を呼びかけています。
この先の沖縄地方は、太平洋高気圧に覆われやすいためかなり気温が高くなる予想です。屋外での活動では飲料水や日陰の確保、休憩しながら活動するなどの熱中症対策を行い、健康管理や農作物、家畜の管理にも注意が必要です。
(かなりの高温の基準:5日間平均気温平年差+0.9℃以上)
本日7月12日(金)は、沖縄本島地方、八重山地方に熱中症警戒アラートが発表されています。沖縄地方は、気温だけではなく湿度が高い状態が続いています。また、夜間も気温が下がりにくいため、部屋の中の温度管理にもお気をつけください。“就寝前にコップ1杯の水”の習慣をつけるようにしましょう。
7月下旬にかけても晴れて暑さ続く
7月28日(日)にかけての那覇の天気と気温の予想を見てみましょう。22日(月)ごろにかけては、太平洋高気圧に安定して覆われるため、晴れる日が続き、最高気温は33℃~34℃の予想で、最低気温は28℃~29℃の予想です。平年の気温を上回る予想となっています。体調管理にご注意ください。
23日(火)以降は、南シナ海やフィリピンの東、⽇本の南で台風の卵ができそうな大気の場になるものの、発達具合は予想に幅があり難しい状況ですので、今後の熱帯低気圧の発生の動向に注意が必要です。
3連休は強烈な日差しに警戒
7月13日(土)の沖縄地方は、太平洋高気圧に覆われて、広く晴れるでしょう。ただ、日射が強まる分、不安定降水「カタブイ(片降り)」による天気の急変にお気をつけください。
15日(月)にかけての3連休と、連休明けの16日(火)は、那覇、名護、久米島、南大東島で、最高気温35℃の猛暑日を予想しています。宮古島地方・八重山地方でも予想最高気温34℃と、猛暑日手前の暑さとなりそうです。
また、沖縄周辺の海面水温は、平年よりも2℃以上高く、31℃前後の高い状態が続いていて海水浴日和となりそうです。一方で、強い紫外線にも警戒が必要です。
崎濱綾子
気象予報士/防災士(株式会社ウェザーマップ)
沖縄県宜野湾市生まれ。ミスはごろもとして地元の観光大使を務める。RBC琉球放送でラジオ・テレビのリポーター、QAB琉球朝日放送で気象キャスターを担当。2005年に沖縄初の女性気象予報士となる。2005~2016年3月までRBC琉球放送の夕方のニュース番組で月~金曜日の気象キャスターを担当。2016年4月から東京の本社で勤務。Yahoo!ニュース動画出演・記事執筆を担当。Yahoo!ニュースエキスパート。好きな天気現象は、夏至南風(カーチーベー)。
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