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[社説]堀井議員 香典疑惑 裏金の流れ含め解明を

沖縄タイムス+プラス / 2024年7月22日 4時0分

 自民党に所属していた国会議員による「政治とカネ」の疑惑が、またもや浮上した。派閥裏金事件で不記載額が飛び抜けて多かった議員の一人だ。裏金の使途を含めて、真相を徹底究明すべきである。

 東京地検特捜部が、違法に香典を渡したとされる公選法違反容疑で、堀井学衆院議員(比例北海道)の事務所などを家宅捜索した。任意の事情聴取も実施した。

 事務所関係者によると、堀井氏は選挙区内の複数の有権者に対し、自身の名を記した香典を秘書や親族に持参させていたという。

 公選法は、政治家が選挙区内の有権者に金銭を提供することを寄付行為として禁じている。本人が葬儀に出向き香典を渡すことは例外的に認めているが、秘書らが代理で持参すれば違法となる。

 政治家にとって「基本の基」とも言えるルールである。知らなかったはずはない。

 北海道では香典に対して領収書を出す慣習がある。堀井氏側は、2012年の初当選直後から秘書が持参したとされ、領収書の中にはこの時期のものも含まれるとみられる。

 その間、事務所内で違法性を指摘する声があったものの「慣例」として続けるよう指示していたという。

 公選法違反の香典提供が長期化していた可能性がある。事実であれば、悪質だ。

 堀井氏は家宅捜索を受けるや自民党を離党した。次期衆院選への不出馬も表明している。説明責任も果たさぬまま、それで済む話ではない。

■    ■

 安倍派の裏金事件で、堀井氏は18年以降に計2196万円の還流を受けながら、政治資金収支報告書への記載を怠っていた。

 問題が表面化した昨年12月に内閣府副大臣を辞任、今年4月には役職停止1年の処分を受けていた。

 特捜部は裏金事件の捜査の過程で、違法性が疑われる資金の流れを把握したとされる。

 本人から説明がない以上、派閥から受け取った「便利なカネ」が香典に化けたのではとの疑念は当然湧いてくる。

 自民党が裏金事件を受け実施した議員への聞き取り調査では、主な使途として懇親費用や車両購入費、人件費などが挙がった。「違法な使途に使用した」との回答は一つもなかった。ただ、領収書を明示していないケースもあり、真相はやぶの中だ。

 検察には裏金の流れを含めて、全容解明を求めたい。 

■    ■

 共同通信社が20、21両日に実施した世論調査で、次期衆院選の投票先を決める際、自民党派閥裏金事件を「考慮する」との回答が73%に上った。

 裏金の使途は解明されず、成立した改正政治資金規正法は「抜け穴」だらけ。この間、あらわになったのは自民党の自浄能力の欠如である。

 問題を終わらせるわけにはいかない。

 堀井氏に対しては公の場で事実関係を説明するよう、岸田文雄首相が動くべきである。裏金の使途については、もう一度、完全な第三者機関による調査を実施すべきだ。

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