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【速報】屋久島沖のオスプレイ墜落事故、原因は機体の不具合や判断ミスなど 防衛省、米軍による報告書の概要を発表

沖縄タイムス+プラス / 2024年8月2日 6時9分

(資料写真)米軍嘉手納基地に飛来するCV22オスプレイ(読者提供)

 【東京】昨年11月に鹿児島県・屋久島沖で発生した米空軍オスプレイ墜落事故を巡り、防衛省は2日午前、米軍による調査報告書の概要を発表した。左エンジンと回転翼をつなぐギアボックス内のギア(歯車)にヒビが生じ、破断したなどと明示。ボックス内で金属片が発生したことなどを示す警告灯が複数回表示されたものの、操縦士が飛行を続けたことも一因と結論づけた。

 機体の不具合や操縦士の判断ミス、リスク管理体制の不十分さなど、複合的な要因が重なり、事故に至った可能性がある。

 一方、ギアにヒビが生じた根本的な理由は特定されていないという。防衛省は2日、関係自治体に調査結果の概要を説明する。

 防衛省によると、ボックス内には主軸のギアを囲む「ハイスピード・ピニオンギア」が五つあり、うち一つに何らかの原因でヒビが入って破断した。

 その破片が、 主軸ギアと他のピニオンギアとの間に挟まった結果、主軸ギアが摩耗し、エンジン動力が伝達されなくなった。

 ギアの破断と直接の関連は不明だが、事故機では飛行中、ギアボックス内で金属片が発生したことを示す警告などが、複数回にわたって出ていた。

 オスプレイには元々、金属片を探知しても燃焼処理する機能が備わっているが、墜落の約20分前、金属片を燃焼しきれなくなったとの警告も表示された。

 その場合、マニュアルでは最も近い場所に「可能な限り速やかに着陸する」とされていたが、操縦士らは最寄りの黒島や硫黄島ではなく、離れた屋久島空港への飛行を選択。同空港に着陸する直前で墜落した。

 報告書は、こうした意思決定が事故を招いたと説明。ギアボックスの異変が墜落事故につながるとの認識が「米軍内で適切に伝達されていなかった」ことも要因としている。

 米軍は、普天間飛行場(宜野湾市)所属オスプレイが飛行を再開した今年3月以降、ギアボックスの異常を早期に把握するため維持整備の頻度を増やし、警告灯表示時の対応を厳格化するなどの対策を取っているという。

 オスプレイを保有する陸上自衛隊も同様の措置を実施している。

 事故は昨年11月29日午後2時40分ごろに発生。米軍嘉手納基地(沖縄県)に向かっていた横田基地(東京)所属のCV22オスプレイ1機が墜落し、全搭乗員8人が死亡した。(東京報道部・新垣卓也)

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