7月の沖縄地方、1946年以降最も暑かった 平均気温1.2℃上回る 8月は暑さどうなる？

 

　7月は沖縄地方で大猛暑となりました。7月の沖縄地方の地域平均気温平年差は+1.2℃で、7月として1946年以降で最も高くなりました。また、沖縄周辺海域の海面水温も、速報値で7月として解析値のある1982年以降最も高くなりました。 夏の太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多かったため、日照時間が長くなり、気温が上昇し記録的な高温となりました。

なぜ太平洋高気圧が強まったの？

　①太平洋高気圧が強くなった要因として、インド洋～インドネシアで積雲対流活動が活発になったことや、7月上旬を中心に亜熱帯ジェット気流が日本付近で北に蛇行したことも影響した可能性があります。北に蛇行することで沖縄地方は高気圧に覆われやすかったと考えられます。

　②沖縄地方は強い日射の影響に加え、7月中旬までは台風などの影響が少なく台風接近に伴うかき混ぜ等による水温低下の効果が弱かったことが、高い海面水温の要因と考えられます。また、地球温暖化や春まで続いたとみられるエルニーニョ現象による影響も寄与しているようです。

　7月の猛暑日は、県内で合計14地点、51回となりました。本日8月2日（金）、久米島で35.3℃を観測し、沖縄地方は7月22日（月）以来、11日ぶりに猛暑日となりました。

六月太陽と七月戻り太陽

　昔から沖縄では、旧暦の6月の頃の暑さを“六月太陽（ロクグヮチティダ）”、旧暦7月に暑さがぶり返すことを“七月戻り太陽（シチグヮチモドゥイティダ）”と表現してきました。

　実際、今年は那覇で7月19日（金、旧暦では6月14日）に那覇の最高気温36.0℃を観測し、1890年からの統計を塗り替えました。また、那覇の猛暑日の日数は8日となり、1916年と同じ1位タイになりました。また、石垣島の最低気温は、7月18日（木）に30.4℃（最低気温の高い方から全国で7位）、19日（金）に30.3℃を観測し、1896年からの統計でそれぞれ1位と2位となっています。

　最新の熱中症による救急搬送人員（消防庁調べ）では、7月22日（月）の週は64人で、梅雨明け前の時期よりも少ない人数となりました。台風3号が、23日（火）から接近したことにより、これまでの異常な高温状態が解消されたことも要因と考えられます。

8月9日ごろからかなりの高温予想

　8月1日（木）に「高温に関する早期天候情報（沖縄地方）」が沖縄気象台から発表されました。この先も沖縄地方は暖かい空気が流れ込みやすくなるため、8月9日（金）ごろからかなりの高温になる予想として注意を呼びかけています。（かなりの高温の基準:5日間平均気温平年差＋0.8℃以上）

　本日8月2日（金）は、沖縄本島地方、八重山地方、大東島地方に熱中症警戒アラートが発表されています。

曇りの日でも暑さ続く

　8月18日（日）にかけての那覇の天気と気温の予想を見てみましょう。

　これまでの晴れベースから雲がかかりやすくなりそうです。これは、日本の南海上に低圧部（周辺よりも気圧が低いエリア）があって、停滞する見込みのためです。念のため、今後の動きに注意が必要です。雲がかかっても暑さは続きますのでご注意ください。

　この時期の沖縄地方は、沖縄特有のスコール性の雨、カタブイ（片降り）の可能性が毎日あります。この週末も急な雨にご注意ください。

　各地でジメジメした体感が続きますが、沖縄本島地方の周辺では、北寄りの風が吹く時間帯がありそうですのでほんの少しだけ蒸し暑さが解消されるかもしれません。4日（日）の最高気温は、沖縄本島地方や大東島地方が34℃の予想です。宮古島地方、八重山地方では32℃前後でしょう。最低気温は県内各地で27℃前後の見込みです。

　可能であれば外出の時間帯は、昼間の時間帯を避けて、朝・夕に変更するなど夏の時期は習慣を少し変えるなど工夫をしてみるのもいいかもしれません。

崎濱綾子
気象予報士/防災士（株式会社ウェザーマップ）
　沖縄県宜野湾市生まれ。ミスはごろもとして地元の観光大使を務める。RBC琉球放送でラジオ・テレビのリポーター、QAB琉球朝日放送で気象キャスターを担当。2005年に沖縄初の女性気象予報士となる。2005～2016年3月までRBC琉球放送の夕方のニュース番組で月～金曜日の気象キャスターを担当。2016年4月から東京の本社で勤務。Yahoo!ニュース動画出演・記事執筆を担当。Yahoo!ニュースエキスパート。好きな天気現象は、夏至南風（カーチーベー）。