「落語はお好き？ そうでもない？」 うちなー落語家の北山亭メンソーレさんが2席披露 沖縄・糸満市

落語「子ほめ」と「ちりとてちん」を演じる北山亭メンソーレさん＝3日、糸満市立中央図書館

　【糸満】立川志の輔師匠の下で6年間学んだ今帰仁村出身のうちなー落語家、北山亭メンソーレさんは3日、糸満市立中央図書館の「図書館まつり」で落語を披露した。親子連れなど約60人に迎えられた瞬間、「ふふ、この拍手！」とにんまり。「落語はお好きですか？　そうでもない？　好きになるか嫌いになるか、今日はその境目ですね」と自らにプレッシャーをかけ、「子ほめ」と「ちりとてちん」の2席で笑いの渦に引き込んだ。

　「子ほめ」は、機転の利かない主人公がお世辞を言おうとし、ことごとく失敗する話。「いやぁ、しばらくでしたね」と型通りに声をかければ「何言ってるんだ、昨晩居酒屋で会ったじゃないか」と言い返される。赤ん坊を見て「亡くなったじいさんにそっくり」と褒めたつもりが、じいさんは赤ん坊の隣で昼寝中という具合だ。

　うまくいかないときの「奥の手」を股ぐらから出そうとするしぐさを交え、主人公の滑稽さを強調した。

　「ちりとてちん」は、知ったかぶりばかりの主人公に旦那が逆襲する筋書き。腐りきった豆腐に唐辛子を混ぜ、台湾の珍味だと言って勧める。後に引けなくなった主人公がついに口に含むと、会場には悲鳴が。猛烈な臭いに耐えながら涙目で飲み下す場面を、観客は居ても立ってもいられないといった表情で見入った。

　メンソーレさんは「第7回沖映通り　うまんちゅ落語祭り」の初日に当たる19日（月）午後1時、ホテルストレータ那覇で公演する。祭りは入場無料で、25日（日）まで那覇市内の各地で開かれる。（南部報道部・平島夏実）