首里高バンド「クロムレイリー」が全国グランプリ Adoも出演「ROCK IN JAPAN」参戦へ
沖縄タイムス+プラス / 2024年9月4日 16時45分
沖縄県立首里高校3年生の3ピースバンド「クロムレイリー」が、8月10日に茨城県ひたちなか市にて開催された全国高校生アマチュアバンド選手権「TEENS ROCK 2024 GP FINAL IN HITACHINAKA」(主催・ひたちなか青年会議所、同実行委員会)で全国265組の頂点に輝いた。クロムレイリーは9月14、15、21~23日にわたって同市で開催される野外音楽フェス「ROCK IN JAPAN FES. 2024 in Hitachinaka」の22日のオープニングアクトとしての出場権を獲得。Adoやサンボマスター、モーニング娘。’24といったビッグネームと同じステージに立つ。
クロムレイリー
2022年6月に、高校1年生のクラスメイトで結成。桃花(ももか、Gu.Vo)、深結(みゆ、Ba.Cho)、陽香(はるか、Dr.Cho)の3人組バンド。「クロム」は深結が好きな数字「24」の原子番号を持つ元素名から、「レイリー」は語感から付けた。
豊かな表現 審査員「これが音楽の力」
グランプリに決まると、3人とも信じられないといった表情を見せた後、抱き合って喜びを爆発。沖縄から駆け付けた仲間たちは指笛で盛り上げた。陽香はベストドラム賞にも選出された。
グランプリファイナルの舞台。「沖縄から来ましたクロムレイリーです」との第一声から間髪入れずにクリーントーンのアルペジオ(分散和音。コードを単音ずつばらして弾くことが多い)のイントロを弾いた桃花は、亡き祖母への思いを口にして1曲目「十字路」を伸びやかな声で歌い始めた。メロウで爽やかな楽曲。身体いっぱいでビートを表現するドラムの陽香と、それに絡みつくようにベースでグルーブを加える深結。安定感がある演奏と堂々としたステージングは、日ごろからライブハウスで積み重ねていった場数の賜物(たまもの)だ。
そんな3人の勝負服は「自分たちらしいから」とスポーツジャージできめた。2曲目の「レイリー」では高校生活と軽音楽への思いを歌詞に乗せた。キャッチーなメロディでありながら、時折半音単位で上がっていくベースラインが、不安定で甘酸っぱいティーンズの気持ちを演出しているかのようだ。ダイナミクス(音の強弱)豊かな表現と圧巻のパフォーマンスで大きな歓声と拍手を浴びた。演奏後に桃花は「舞台裏では緊張していましたが、いざ出てみるとみなさんの温かさに支えられて楽しむことができました」と述べた。
審査員からは「これが音楽の力だなと感動した」「映像が浮かびやすい歌詞だった」との講評を受けた。
先輩後輩や地域に感謝「みんなで出場した気持ちで」
-グランプリおめでとうございます。決まった瞬間の気持ちを教えてください。
深結 びっくりすぎて「なんで!?」と思いました。
桃花 2年生の時に、コンテストで優勝したいっていうモチベーションで頑張っていた時がしんどくて、3年生からは「自分たちの音楽を自分たちなりに表現できたら」という目標で走り続けてきました。それが評価してもらえてすごくうれしかったです。先輩後輩や地域のみなさんからたくさんの応援をもらっているので、自分たちだけではなくてみんなで出場している気持ちでした。
-本番の舞台ではどんなことを意識しましたか?
陽香 大きいステージなので、パフォーマンスとしても(ドラムプレイで)大きく動くようにしました。音楽なので自分の気持ちを出すのは大切だと思っています。
-陽香さんはベストドラマー賞もおめでとうございます。
陽香 私より上手いドラマーはたくさんいたんですよ。なんで自分が選ばれたのか分からなくて。でも、気持ちを前に出すという部分が伝わったのかなと思います。
-曲作りはどのように進めていますか?
桃花 だいたい自分がアコースティックギターを弾きながら歌ったデモ音源みたいなものを最初に作ります。それを2人に共有して、それぞれがそれぞれのパートのアレンジを作っていっています。
深結 桃花が曲に対して持つイメージもあるはずなので、その辺りは3人ですり合わせながらやっています。
桃花 当初はオリジナル曲を作ろうなんて思っていなかったんですけど、(2年前の同大会で準グランプリを獲った)先輩の「ヒカリバンド」の活躍に憧れて曲を作り始めました。卒業までにアルバムを出したいです。
ROCK IN JAPANは「楽しんで楽しんで楽しむ」
-ROCK IN JAPANという大舞台が控えています。意気込みを聞かせてください。
深結 楽しんで楽しんで楽しみます。
桃花 トップバッターとしていっぱい盛り上げます。
陽香 自分たちの音楽を精一杯届けます。
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