[社説]宜野湾市長に佐喜真氏 国に返還時期明示迫れ
沖縄タイムス+プラス / 2024年9月9日 4時0分
宜野湾市長選は8日投開票され、自民、公明の推す元市長の佐喜真淳氏が当選を果たした。「オール沖縄」勢力が支援する前市議の桃原功氏との事実上の一騎打ちで7978票の差をつけた。
前市長の松川正則氏の死去に伴う選挙だ。名護市辺野古の新基地建設を巡って国は代執行に踏み切り、大浦湾側への工事が進む中での初の市長選でもある。
宜野湾市が抱える最大の課題は普天間飛行場の返還・閉鎖と跡地利用だ。
佐喜真氏は「辺野古移設が進んでいる」として、普天間所属機を埋め立てが終了した場所へ段階的に移駐することなど「現実的な具体策」を提示した松川市政の継承を前面に出した。
国に返還時期を明確化させた上、跡地利用開発を前に進めるなど「次のステージへ進める」とする訴えが市民に受け入れられたと言える。
キャンプ瑞慶覧の西普天間住宅地区の跡地利用推進交付金は佐喜真市政時代に新設された。同跡地に移転する琉球大学病院と連携したまちづくりなど市域の活性化へ国と協調した取り組みに対する期待は大きい。
2012年に佐喜真氏が初当選して以来続く保守市政の実績をアピールし、市内企業や経済団体の支持を着実に固めた。
一方、桃原氏は市民目線での行政運営、市民の所得向上などを掲げたが及ばなかった。松川氏の「弔い合戦」の中で、「遺志を継ぐ」と強調した佐喜真氏が終始優位に戦いを進めた。
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佐喜真氏は6年ぶりに市長へ返り咲いた格好だ。
ただ、新基地建設は軟弱地盤の存在で今後も困難な工事が予想されている。松川氏は政府に対し繰り返し普天間の返還時期の明示を求めてきたが、いまだに明確な回答はない。
佐喜真氏がまず取り組まなければならないのは、公約にも掲げた返還時期の明示要求だ。
普天間の危険性除去に関しては安倍晋三政権時代に「5年以内の運用停止」の約束が、当時の仲井真弘多知事との間で交わされた。しかし、日米両政府が真剣に向き合った形跡は見られない。
返還時期が分からなければ跡利用にも支障が出る。新基地建設の完成にはあと12年以上もかかるとされ、その間、住民を危険にさらすことはできない。「5年以内-」がどう検討されたのかを含め政府にはっきりと迫るべきだ。
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知事選に2度も挑戦した佐喜真氏の立候補を冷ややかに見る目もあり、オール沖縄が支援する桃原氏との票差は、この構図での前回選挙に比べ縮まった。
ただ、宜野湾市長選では自公が4連勝。県内市長選で自公は連戦連勝し、11市のうち9市を占める。
6月の県議選で県政与党は大敗、故翁長雄志氏が新しい沖縄をつくろうと「腹八分」でまとまったオール沖縄はもはや解体寸前だ。
衆院選が近いとされる中、玉城デニー知事や県政与党は態勢再構築の必要性に迫られている。
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