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「これがバス旅の醍醐味だ」景色やお酒を堪能 那覇→名護まで無料乗車、記者が体験してみた

沖縄タイムス+プラス / 2024年9月10日 8時9分

那覇行きの名護西空港線に乗車しようと並ぶ約40人の乗客ら=8日、名護市宮里のバスターミナル

 9月の毎週水・日曜日に路線バスが終日無料となる県の「わった~バス利用促進乗車体験事業」。初の日曜日を迎えた8日、「名護までバス旅をしてみよう」と、午前8時半、那覇市泉崎のバスターミナルから120番の名護西空港線に乗り込んだ。ゆったり車窓の景色を楽しんだり、現地で海を眺めながらビールを味わったりできるのはバスの旅ならではだ。(社会部・垣花きらら)

 県内でバスに乗るのは学生の時以来5年ぶり。バスターミナルに着くと既に20人近くの行列ができていた。前の夫婦に聞くと「料金が高く普段は遠出しないが、無料なので久々に名護に行く」とうれしそう。

 バスが到着する頃には行列が40人ほどになっていて、ほぼ満員で出発し国際通りを抜けると乗車を断られる場面が何度もあった。

 やっと見つけた1席に座って外を眺めていると、車窓にゆったりと町の風景が流れる。隣の座席では、老夫婦がほほ笑んで手を取り合い、旅を楽しんでいる。

 ところが、北谷町を過ぎると渋滞が発生。乗務員から40分遅れのアナウンスがあると車内がざわついた。「結婚式に間に合わない」とあわただしく電話をかける乗客の姿もあった。

 バスは強い日差しを受けて満員のまま名護に到着。時刻は午前11時50分近くになっていた。

 最高気温は32度、昼食に海鮮を求めて15分ほど歩き「名護漁港食堂」へ。イラブチャーやタマンなど県産魚7種類が楽しめる1300円の海鮮丼を注文した。往復でバスの運賃約4600円が浮くので、奮発しプラス300円でイカスミ汁に変更。迷わずオリオンビールも注文した。

 歩き疲れた体にビールが染み渡り「これだ、これがバス旅の醍醐味(だいごみ)だ」と海を眺めながら一息ついた。

 海鮮丼を堪能した後は「名護観光マップ」で見つけた「津嘉山酒造所」へ。現存する赤瓦ぶき屋根の木造建築としては県内最大級で、国の重要文化財に指定されているという。

 伝統的なウチナー屋敷の床の間では、度数の違う「國華」の泡盛4種類を試飲。一番気に入った30度を購入した。

 21世紀の森ビーチは見渡す限り一面の青で、バスの時間まで、海を眺めながらビールを片手にのんびりとひと時を過ごした。

 行きのバスで「時間に余裕を持って乗車を」とアナウンスが何度も流れていたので、早めにバス停へ行くことに。予定時刻の30分前に到着したが、既に20人が列を作っていた。先頭にいた女性3人は前のバスが満員で乗れなかったという。

 帰りのバスも満員で、北谷町を過ぎる辺りまで乗車を断られる人が続出。疲れた様子でバスを見送っていた。片道3時間の小旅行は正直疲れもあったが、おいしいお酒もきれいな景色も楽しめた。ただ、往復約4600円なら考えてしまいそう。

 運賃の高さや渋滞による遅延は、やはり課題。県が実証実験の目的にしている「慢性的な交通渋滞の解消」が鍵になりそうだ。

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