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[社説]自民総裁選 沖縄演説会 平和創造の具体策語れ

沖縄タイムス+プラス / 2024年9月16日 4時0分

 自民党総裁選の地方演説会が17日、那覇文化芸術劇場なはーとで行われる。

 公選法が適用されず、投票ができるのは議員や党員などごく限られた人だけ。いわば「内輪の選挙」であるが、事実上、次期総理を決める選挙でもある。

 気になるのは、これまでの演説会でも討論会でも沖縄のことがほとんど取り上げられていないことだ。

 演説会をあえて沖縄で開く以上、基地や経済を巡る次の疑問にも正面から答えてもらいたい。

 (1)沖縄では戦後ずっと、米兵による性犯罪によって、女性の人権や尊厳が脅かされてきた。

 1995年9月に起きた米兵による少女暴行事件から来年で30年になるが、米兵による性暴力事件は絶えない。

 住民の安全をどのように確保するのか。その場しのぎの対策ではなく、具体的で実効性・永続性のある再発防止策を示してもらいたい。

 (2)日本の安全保障は、本土の人たちが日米安保の負担を感じないで済むように、沖縄に基地を集中させることで成り立ってきた。

 日米地位協定に基づく米軍の特権維持と、安保優先の構図は、実は今も基本的に変わっていない。

 国土の0.6%に過ぎない狭あいな土地に、米軍専用施設の約7割が集中している現状はあまりにも異常である。

 この状態を放置し続けることは許されない。差別的な安保政策はどのように改めるつもりか。

■    ■

 (3)負担軽減の象徴と見なされてきた米軍普天間飛行場は96年4月、日米が「5~7年以内の返還」に合意した。 

 その後、移設計画はころころ変わり、その都度、普天間の返還時期は先延ばしされてきた。今では、返還時期の明示を求める地元宜野湾市の要請に対しても「時期は示せない」と大幅に後退している。

 立ち止まって検証し見直す時期に来ているのに、なぜそれができないのか。

 (4)普天間飛行場が返還されるのは最短でも12年後だといわれる。この間、普天間の「危険性除去」をどのように進めていくのか。

 (5)本島南部の激戦地の土砂を採取し、辺野古・大浦湾の埋め立てに使用する話があるが、岸田文雄首相はあいまいな姿勢に終始し、県民の不信を買っている。それぞれの考えを明確にしてもらいたい。

■    ■

 岸田首相はこれまで、さまざまな場で繰り返し、過重な基地負担の軽減に取り組む考えを表明してきた。

 だが岸田政権下で目に見えて進んだのは「南西シフト」による自衛隊強化である。

 衆院は復帰50年に当たる2022年、本会議で「強い沖縄経済」と「平和創造の拠点としての沖縄」をつくる決議を採択した。

 戦争への懸念が深まる中、沖縄は来年、沖縄戦80年の節目を迎える。イベントの寄せ集めではなく、「平和創造の拠点」にふさわしい施策を求めたい。

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