「警備員による危険な誘導が増えた」 死傷事故前にダンプ運転手から懸念の声 辺野古向け土砂の搬入を増やす「国の意向」が背景に 名護市の安和桟橋
沖縄タイムス+プラス / 2024年9月19日 5時38分
[安和の現場から 事故は防げなかったのか]
沖縄県名護市の安和桟橋で辺野古の新基地建設に抗議中の市民と警備員がダンプカーに巻き込まれた6月の死傷事故で、別の運転手が4月中旬ごろ、土砂の搬入を管理する事業者側に「警備員による危険なダンプの誘導が増え、事故が起きかねない」と懸念の声を上げていたことが18日までに分かった。「搬入量を上げたい防衛局の意向」として誘導方法は改善されず、一方で事故が起きれば運転手の責任になるとして、誘導に従うかは自主的に判断するよう周知されていた。(北部報道部・松田駿太、比嘉海人)
一連のやりとりを約30人の運転手が聞いていて、本紙の取材に複数の運転手が証言した。
安和桟橋では、市民の抗議活動とダンプの出入りが1台ずつ交互に行われていたが、2台連続で誘導する方法が増えていき、事故直前には頻発していたという。
桟橋の出口では、抗議活動をする市民の隙を見てダンプを発車させたり、入り口ではダンプが詰まっていても後続を誘導し、対向車が進路をふさがれたりする事例が頻発した。
今年4月、安和鉱山内で開かれた運転手向けの安全講習会で、運転手の一人が危険性を指摘した。新基地の造成工事を受注している大林組などの共同企業体(大林組JV)の担当者が、ダンプを誘導する綜合警備保障(アルソック)に事情を聞くことになった。
複数の運転手によると、数週間後にJVの担当者から説明があり、アルソックの誘導は、効率良く土砂を搬入してほしいという沖縄防衛局の意向だと伝えられた。また事故が起きたら運転手の責任だとして「現場の誘導には従わず、自分の判断で運転してください」などと述べたという。
その後の5月16日、鉱山の担当者からダンプ運転手にLINEであった業務連絡にも「防衛局殿から少しでも多く運搬したいので2台入場を指示されているそうです」と記されていた。
運転手の一人は「現場では警備員が誘導の棒を何回も振って『なぜ行かないのか』と威圧的な態度をとることも多く、そういう強引な誘導が6月の事故につながったと思う」と話した。
沖縄防衛局は本紙の取材に「事故につながるような指示等は一切しておりません。全ての工事受注者に対して適切な監督をしております」と回答。アルソックは防衛局とのやりとりを逐一説明することは控えるとした上で「そのような事実はございません」と答えた。
大林組は「他社が沖縄防衛局から受けた指示の内容について、弊社がコメントする立場ではございませんので、回答を差し控えさせていただきます」としている。
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