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シシノオドシ、“コンビ技”が光る新EP「No.44」 ヒップホップ軸にレゲエ、ファンク、ジャズの要素も

沖縄タイムス+プラス / 2024年9月20日 16時0分

シシノオドシのTACK(左)とオド(事務所提供)

 1MCと1ドラマーの沖縄県出身ミクスチャーバンド「シシノオドシ」が5曲入りEP「No.44(ナンバー・フォーティーフォー)」をこのほどデジタルリリースした。MCのTACKとドラマーのオドの生み出す音が絡み合ってできるグルーブはまさに “コンビ技”。制作や客演で多くのコラボが実現した今作は、ヒップホップを軸に据えながらレゲエ、ファンク、ジャズのテイストもそれぞれ盛り込んだナンバーで彼らの音楽性の広さを感じさせる1枚だ。

 

シシノオドシ「No.44」 各音楽配信サイト
https://linkco.re/xV4ftbg4

シシノオドシ
沖縄・南大東島出身の TACK(MC)と、那覇出身のオド(Dr)によるミクスチャーバンド。地元の先輩CHICO CARLITO、盟友ヤングオオハラ、ASOBOiSMとのコラボなど、ヒップホップ、ロック、レゲエ、ポップなど多様なジャンルをまんちゃー(混ぜこぜ)した独自のスタイルで、楽曲リリースや県内外でのライブ活動を行っている。

1曲目「44MODE」に込めた決意

 収録曲の中でも最初に出来上がったという1曲目「44MODE」は、シシノオドシの「シシ」を曲名に冠した。「モードに入ってガンガン行こうぜという意味を込めた」(TACK)と、今後の自分たちへの決意を表現した。ボーカルのリフレイン(繰り返し)と透明感あるトラックが心地よく、まさに「1番を聴けば2番がすぐ歌える」というライブで聴きたくなる曲だ。

 TACKの地元・南大東島の幼なじみ・WAKOとのコラボで実現した3曲目「No Rain, No Rainbow feat. WAKO」は、物心つく前から一緒にいる親友同士だからこそ支え合えるようなレゲエライクで温かな「人生の1曲」。続く4曲目「ODO Interlude」は直訳通り、オドの間奏だ。ドラムもトラックもオドが手がけており、大人のジャズっぽい雰囲気が漂う。

 今作はアレンジャーにShingo.S、T.O.M、maeshima soshiの3氏を迎えた。TACKは「アレンジを依頼して戻ってきた楽曲が、想像もできないぐらい良くなっていた」と話し、渾身(こんしん)作となった。

バンドシーンとクラブシーンの懸け橋

 -2022~23年にかけてセルフプロデュースで4枚のシングルリリースが続いた後でのEPリリースとなりました。どのような経緯があったのでしょうか?

 TACK 次に出すのはシングルではなくてEPかアルバムだというのは昨年末あたりから考え始めていました。

 オド そこから「44MODE」が先にできて、そのあたりからまさにモードに入って、精力的にどんどんできてきました。

 TACK 自分は結構、モードに入っちゃったら曲作るのは早い方なんですよ。

 -今作での新しい挑戦があれば教えてください。

 TACK 新しい挑戦をしまくりました。ラップのフローでも裏声を作ってみたり。全曲で挑戦しました。

 オド 生ドラムの楽曲も、打ち込みでリズムを作った楽曲も1枚の作品に詰め込んだのは今回が初めての試みです。ドラマーですけど、生ドラムだけに執着せずに、パッドで電子音を組み込んで、柔軟な姿勢でいろんなリズムを作っています。

 -ラップやヒップホップの要素も強いバンドとして、バンドシーンとクラブシーンの両方で活躍が光っています。1MCと1ドラマーの編成ならではの強みをどのあたりに感じていますか?

 オド トラックを流すことが主体のクラブシーンから見ると、ドラムを生演奏してラップをしている部分で、自分たちでリズムやグルーブを作れています。体験として、お客さんが本当に踊ったり音に乗ったりしているんです。これは、僕らの強みなのかなと思います。バンドシーンから見ると、僕らの曲はドラム以外が(事前に録音した)トラックなので、いろんな音が使えるのが強みですね。ラップが好きな人はバンドを聴くきっかけに、バンドが好きな人はラップを聴くきっかけになると思います。

楽曲もジャケットもたくさんのコラボ

 -今作ではTACKさんの地元の親友WAKOさんも楽曲参加しています。

 TACK WAKOはずっとヒップホップ育ちだったんですけど、「最近レゲエ良いな」みたいなことを言い出していて。それでとにかく「レゲエっぽい曲を作って一緒にやる」ということから決定しました。

 -ジャケット画像に写真ではなくイラストを採用しているのは初めてかと思います。

 TACK 今までと違うことをやりたいと思って、デザイナーのTAKUTYさんにお願いしました。

 オド キャラクターが、僕にもTACKにも似てるんですよ。すごいなと思って。早くバスドラムにこのキャラクターをプリントしたいです(笑)。

 -2023年4月発表のシングル「Stand By Me」ではTACKさんがギターを弾いて歌っているロックな一面もあります。音楽的なルーツはどのあたりにありますか?

 TACK 10個上の兄の影響で、ジャパニーズレゲエがめちゃくちゃはやった世代なんですよ。なので、湘南乃風やFIREBALLみたいな2000年代のレゲエが大好きで。中2の時にWAKOからヒップホップを教えてもらいました。バンドもずっと聴いていました。MONGOL800とかHYとか。Xとかも好きでしたし。小さい時から何でも聴いています。

 オド 音楽のルーツって難しいですね。はやりもののダンスボーカルグループもしっかり聴きますし。もともとは、ロコビッチやDstarといった沖縄のバンドがきっかけなんじゃないかなと思うぐらい、ライブハウスが好きで「そこに飛び込みたい」って思いで始めました。

 -最後に改めて、今作「No.44」について読者へのメッセージをお願いします。

 TACK 音源ももちろん聴いてほしいですし、ライブにも来てほしいです。ライブに来てもらって、帰りの車内で音源をめちゃくちゃ聴いてほしいです。

 オド いろんな種類の音楽を詰め込んでバラエティーに富んだ作品です。とにかく全部聴いてほしいです。僕らの持っている味を全部出しました。1枚でいろんな種類の音楽を楽しめるので、例えるならば1枚でたくさんの種類が楽しめるタイプのピザみたいな感じです。いろんな味が好きな人には刺さるかと思います。

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