火葬場 市長関係者の土地 うるま予定地 後援会長の兄所有
沖縄タイムス+プラス / 2024年9月25日 18時38分
【うるま】うるま市具志川で2027年度に完成予定の火葬場予定地の一部が中村正人うるま市長の後援会長の兄の所有地であることが24日までに分かった。中村市長は本紙取材に「後援会長の兄とは知っていたが、土地選定の商談には関わってはいない」と説明。後援会の新垣壮大会長は「火葬場として多くの人が必要とする状況に鑑みて売った」として、適正な取引だったとの認識を示した。
新火葬場は総面積5123平方メートルで、同市の購入金額は1億130万円。3分の1に当たる1886平方メートルを新垣会長の兄が所有していた。坪単価は非公表。
土地の取得を巡っては、20日に開かれた同市議会9月定例会の一般質問で、伊礼正議員が「予定地に中村正人後援会の役員が所有する土地があるのか」と質問。市は「議員ご指摘の方が所有する土地はない」と答弁していた。
本紙が新垣会長に確認したところ、兄の所有地であることが判明。新垣会長が社長を務める水道会社のヤードとして使っていたという。
同市プロジェクト推進1課によると、土地の選定は現在の火葬場周辺の複数の候補地から選定。現在の葬祭場にも近いことから、周辺住民の理解が得られやすいと判断したという。
一方、近隣の具志川自治会は昨年6月の通常総会で建設計画に全会一致で反対。区民からは「予定地は県道8号から丸見えで住宅地にも近い」との声が上がる。
また、うるま市墓地等の経営許可等に関する条例は「火葬場の設置場所は人家から200メートル以上離れていること」と規定されているが、最も近い住宅からは60~70メートル。一方で同条例には市長判断で基準を緩和できるという「ただし書き」があり中村市長が適用した。
現火葬場は築49年で老朽化し、修繕や台風による閉鎖で火葬待ちが数週間にわたる状態が発生。遺体を自宅で安置すると1日に3万円、葬儀社だと7万円の負担になるとし、中村市長は「早期建設が急務だ」としている。
(中部報道部・又吉朝香)
(写図説明)うるま市具志川の火葬場の建設予定地
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