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浸水の原因は船尾の仕切り板撤去 沖縄・下地島沖合のダイビング船転覆事故 運輸安全委員会が報告書

沖縄タイムス+プラス / 2024年9月26日 13時18分

仕切り板が無断で取り外されたダイビング船「クリスタルM」の船尾開口部(運輸安全委員会提供)

 沖縄県宮古島市の下地島沖合で昨年8月、ダイビングツアー客ら20人を乗せた小型ダイビング船が転覆した事故で、運輸安全委員会は26日午前、事故調査報告書を公表した。船尾部の仕切り板が取り外されていたことが浸水の原因とした上で、国の検査代行機関「日本小型船舶検査機構(JCI)」が不備を見過ごしてきたとも指摘した。

 事故を起こしたダイビング船は「クリスタルM」(乗員乗客20人、4.8トン)。

 報告書によると、クリスタルMは昨年8月16日午前9時ごろ、宮古島市の荷川取漁港を出航。同11時以降、下地島北西沖の「魔王の宮殿」と呼ばれるダイビングポイント付近で、激しい風雨や高さ約2メートルの波を受けた。

 船は船尾開口部から浸水。午後0時42分ごろ、船の右側が傾き始め、そのまま転覆した。午後1時19分ごろ、宮古島海上保安部の巡視船などが全員を救助した。

 船長や運航事業者は、宮古島地方に同日、雷注意報や大雨注意報が発表されていることを把握していなかった。

 クリスタルMは船が建造された当時の2006年、仕切り板が取り付けられていた。JCIによる同年の初回検査では、板の存在を前提として最大搭載人員を24人と計算していた。

 だが、運航事業者がダイビング時に海へ入りやすいようまもなく撤去。その後も板がない状態で運航が続けられていた。

 船内に波が入りやすい構造だったことに加え、酸素ボンベなどの重い機材を積んでいたため、船の後方部が沈み込みやすい状態だった。JCI側も、その後の検査で見過ごしてきたという。

 報告書は国や地方自治体などの関係機関に対しても「ダイビング船の運航実態の把握に努め、重層的な安全管理および指導がなされるべきだ」と指摘した。

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