宮古島の名が付いた台風は3個「サラ・コラ・デラ」 1966年には瞬間風速85.3メートル、富士山を除く国内観測1位 br /

 

　顕著な災害を起こした自然現象は、気象庁長官により特別な名称が付けられます。その中で宮古島の名前が付いた台風が3個あります。米国が台風に英語名（人名）を付けていた時代の「サラ」「コラ」「デラ」台風です。気象庁資料を参考にお伝えします。

宮古島台風「サラ」　1959年台風14号

　1959(昭和34)年9月12日にグアム島付近で発生した台風14号は、発達しながら西北西に進み、非常に強い勢力で15日午後7時ごろ宮古島を通過しました。その後は東シナ海から対馬海峡、日本海を通り、19日午前9時には温帯低気圧に変わりました。宮古島（当時の沖縄県平良市）では最低気圧908.1hPa、最大風速53.0m/s（最大瞬間風速64.8m/s）を観測し、島の約7割の住家が損壊する被害がありました。

第2宮古島台風「コラ」　1966年台風18号

　1966(昭和41)8月31日にグアム島の西海上で発生した台風18号は発達しながら北西に進み、9月5日午前9時ごろ宮古島に達し、この頃最も発達しました。台風はその後も北西に進んで、7日午前9時前に中国大陸に上陸し、7日午後9時には弱い熱帯低気圧に変わりました。

　台風は宮古島付近をゆっくりと進んだため、宮古島では長時間にわたり強風と大雨に見舞われました。宮古島（当時の沖縄県平良市）では最大風速60.8m/s、最大瞬間風速85.3m/s（国内の観測史上1位 ※富士山を除く）を観測しました。宮古島では半数以上の住家が損壊し、サトウキビの7割が収穫不能となるなどの甚大な被害が出ました。

第3宮古島台風「デラ」　 1968年台風16号

　1968(昭和43)年9月18日に沖ノ鳥島の南南東の海上で発生した台風16号は、西から北西、北へと進路を変え、22日夜遅くから23日未明にかけて宮古島付近を通過しました。その後南西諸島沿いに進み、24日午後11時過ぎ鹿児島県に上陸しました。上陸後は急速に衰えながら九州西岸を北上し、25日正午に弱い熱帯低気圧に変わりました。宮古島（当時の沖縄県平良市）で最大風速54.3m/s（最大瞬間風速79.8m/s）を観測。台風の近くでは暴風が吹き、宮古島では暴風により住家や農作物に大きな被害が出ました。

　これらの台風は、3個全てが9月に接近した台風でした。「サラ・コラ・デラ」台風は今でも、宮古島地方に大きな被害を出した台風として語り継がれています。

台風の発生に注意　

　9月27日(金)午後3時現在、沖縄の南に熱帯低気圧があって、今後台風に変わる見込みです。台風に変わった後、いったん南下し、その後30日(木)ごろから北向きに進路を変えて、10月2日(水)ごろにかけて、暴風域を伴い先島諸島にかなり接近する恐れもあります。今後の動向に注意が必要です。　

10月上旬は台風の影響を受ける見込み

　10月13日(日)にかけての那覇の天気と気温の予想を見てみましょう。現時点では、今後熱帯低気圧から変わる台風の影響で10月3日(木)ごろにかけて、雨の予想となっています。4日(金)以降は次第に天気が回復し、13日(日)にかけては大きな天気の崩れはない見込みです。この先の気温は、ほぼこの時期らしい気温の予想です。10日(木)ごろからは、日中の気温が30℃を下回り、少しずつ過ごしやすくなりそうです。

週末は断続的に雨予想

　今週末は、熱帯低気圧から変わる台風周辺の湿った空気の影響で、県内各地で断続的雨が降り、風も強まる予想です。

　来週前半は、現時点の予想で、熱帯低気圧から変わる台風が先島諸島や沖縄本島地方に接近する恐れがあります。台風対策は早めにお願いします。

崎濱綾子
気象予報士/防災士（株式会社ウェザーマップ）
　沖縄県宜野湾市生まれ。ミスはごろもとして地元の観光大使を務める。RBC琉球放送でラジオ・テレビのリポーター、QAB琉球朝日放送で気象キャスターを担当。2005年に沖縄初の女性気象予報士となる。2005～2016年3月までRBC琉球放送の夕方のニュース番組で月～金曜日の気象キャスターを担当。2016年4月から東京の本社で勤務。Yahoo!ニュース動画出演・記事執筆を担当。Yahoo!ニュースエキスパート。好きな天気現象は、夏至南風（カーチーベー）。