9月の平均気温が過去最高だった沖縄 冬の天候はどうなる？ 冷え込む時期がある「メリハリ型」の予報

 

　沖縄はまだまだ半袖シーズンですが、どの季節の感覚でしょうか。春・夏・秋・冬は何月をイメ―ジされますか。気象庁の予報用語では、春・夏・秋・冬の期間が定められています。

　3月～5月は「春」、6月～8月は「夏」、9月～11月は「秋」、12月～2月までの期間は「冬」としています。「その年の冬」というのは、年をまたいで翌年の2月までの期間となります。

　今年の9月は沖縄地方の地域平均気温平年差が+1.2℃となり、9月として1946年以降で最も高くなりました。また、海面水温（速報値）も、東シナ海南部（＋1.6℃）と 沖縄の南（+1.3℃）で9月として1982年以降で最も高くなりました。

平年と同様、曇りや雨の多い冬に

　毎年9月に発表される季節予報では「寒候期予報」というものがあります。この中で、12月～2月の冬の天候や気温・降水量・(降雪量)の見通しが発表されます。先月24日に発表された寒候期予報では、沖縄地方は平年と同様に曇りや雨の日が多い予想となりました。

　予想される大気と海洋の特徴として、大気全体の温度は夏よりは低下するものの地球温暖化の影響などにより中緯度帯を中心に高いこと、ラニーニャ現象が発生する可能性が高いため、太平洋熱帯域の海面水温は西部で高く中・東部で低いことーが挙げられます。また、インド洋熱帯域では東部で高い予想のため、インドネシア付近を中心に積乱雲の発生が多い一方、日付変更線付近では積乱雲の発生が少なくなる見通しです。

　上空の偏西風は中国付近では北に、日本付近ではやや南に蛇行する見込みです。シベリア高気圧は南東側への張り出しがやや強く、沖縄地方では寒気の流れ込みやすい時期がある見込みです。つまり、寒い時にはグッと冷え込む時期があり、メリハリ型の冬になりそうです。

台風18号の影響で与那国に猛烈な雨

　台風18号は4日(金)の午前9時に、南シナ海で熱帯低気圧へ変わりました。与那国町付近では4日午前7時までの1時間に約100ミリの雨が降ったとみられるとして、午前7時9分に八重山地方に「記録的短時間大雨情報」が発表されました。

　与那国町の所野では、4日午後2時時点で24時間の日最大降水量が249.5ミリで2003年からの統計開始以来、1位の値となっています。また、48時間の日最大降水量も300ミリを超えるなど、記録的な大雨となっています。

　台風から熱帯低気圧に変わった後は、この先の進路予想図の発表はされないため、天気図や気象レーダーをこまめに確認して、雨の状況などを把握することが大切です。

〈記録的短時間大雨情報とは〉
　数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を、観測(地上の雨量計による観測)、解析をした時に発表される。この情報が発表された周辺地域では、土砂災害や河川の増水など、災害の危険性が高まっているため警戒が必要となる。

来週は新北風(ミーニシ)が吹く頃

　10月20日(日)にかけての那覇の天気と気温の予想を見てみましょう。今月中旬にかけて、本州付近は秋雨前線の影響を受ける見込みで、その南側の雲が沖縄地方にかかるタイミングがあるため、変わりやすい天気に気を付けていただきたいです。

　来週8日(火)は二十四節気の「寒露」です。沖縄では昔からこの頃に吹く北寄りの季節風を「新北風(ミーニシ)」といって、秋の風を表現しています。日中は30℃前後まで気温が上がる予想ですが、朝晩は少しずつ秋の気配を感じられそうです。

6日は天気が回復する見込み

　5日(土)の沖縄本島地方と大東島地方は、高気圧を回り込む湿った空気の影響で不安定な天気が続くでしょう。宮古島地方や八重山地方では、台風から変わった熱帯低気圧の影響で、雷雨に注意が必要です。一方、大東島地方では晴れ間があるでしょう。

　6日(日)は、沖縄本島地方では朝から天気が回復し、宮古島地方や八重山地方では午後から日差しが戻りそうです。この週末の県内各地の最高気温、最低気温ともに平年よりもやや高い予想です。

崎濱綾子
気象予報士/防災士（株式会社ウェザーマップ）
　沖縄県宜野湾市生まれ。ミスはごろもとして地元の観光大使を務める。RBC琉球放送でラジオ・テレビのリポーター、QAB琉球朝日放送で気象キャスターを担当。2005年に沖縄初の女性気象予報士となる。2005～2016年3月までRBC琉球放送の夕方のニュース番組で月～金曜日の気象キャスターを担当。2016年4月から東京の本社で勤務。Yahoo!ニュース動画出演・記事執筆を担当。Yahoo!ニュースエキスパート。好きな天気現象は、夏至南風（カーチーベー）。