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「じっとしておれないんです」リメークに夢中の88歳、元県庁職員だが大工と勘違いされ 子や孫が喜んだ力作とは?

沖縄タイムス+プラス / 2024年10月7日 12時42分

「水タンクの底の部分がこんなふうに変わるなんて自分でも思わなかった」と話す真栄平義己さん=9月21日、与那原町与那原の自宅

 沖縄県与那原町与那原の真栄平義己(よしみ)さんはことし数え88歳のトーカチ(米寿)を迎えた。「この身体 88年目 まだまだ行くぜ!」とプリントされたオレンジ色のTシャツを家族からもらったが、「着るには目立ち過ぎて…」と苦笑いする。一方、自宅は畳や漁具の浮き球をリメークした自信作であふれ、Tシャツ以上に人目を引く。「明日はあれ作ろう、これ作ろうと考える。じっとしておれないんです」。熱っぽく語った。

 小学生の頃からものづくりが大好き。戦後まもなく、与那原沖には台風で座礁したまま放置されたアメリカ船が何隻もあった。浜辺で部品を拾い集めた記憶があるという。

 約35年前に自宅を建ててからは、ベランダを増築したり、床を張り替えたり。手作りのバスケットゴールやブランコで子や孫を喜ばせた。浮き球を「ドラえもん」や「しまじろう」にリメークして飾ると、散歩中の保育園児が喜んで声を上げた。

 玄関前には手作りの鐘。内側にスポンジを巻き、納得いく音を追求した。水タンクや畳を材料にした鳥の壁掛けは、名付けて「SUN(サン) BIRD(バード)」。屋内外に10羽以上飛んでいる。

 本職は大工-。いつしか元県庁職員なのにそう勘違いされるようになった。

 「作っては壊し、作っては壊し。難儀ばかりして何の意味があるか」と親が言っていたのを覚えている。その通りだと自分でも思うが「汗をかくのが好きでねぇ」としみじみ話す。

 まだまだ、やめられそうにない。

(南部報道部・平島夏実)

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