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乳児死亡「真相を知りたい」両親、眠れず苦しい胸の内明かす 那覇地裁で初弁論 保育園の過失主張 園側は棄却求める

沖縄タイムス+プラス / 2024年10月12日 10時42分

損害賠償訴訟の主な主張

 那覇市内の認可外保育施設(廃園)で2022年7月、一時預かりの生後3カ月の男児を死亡させたとして、父母が当時の園長と那覇市、国の3者に計約9125万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が11日、那覇地裁(藤井秀樹裁判長)であった。

 遺族側は園側の過失で男児が窒息死したと主張。安全配慮義務違反として(1)危険性のあるうつぶせ寝をさせた(2)昼寝中のチェックを怠った(3)体調悪化を把握しながら救急要請などの対応をしなかった-の3点を挙げた。

 那覇市に対しては、認可外園に対する特別立ち入り調査や事業停止命令など、状況に応じた指導監督権限を行使しなかったと指摘。

 国には憲法の生存権や平等権に基づき「すべての乳幼児に安心安全な保育を受けることができる権利がある」と主張。認可、認可外で制度上区別され、結果的に安全性に差が生じている事態は憲法違反と訴えた。

 園側は乳幼児突然死症候群の可能性もあると反論し、請求棄却を求めた。市側、国側も請求棄却を求めている。遺族側は今後、窒息死の所見を出している法医学者の意見書を提出する方針。次回期日は12月6日。

 県警は業務上過失致死容疑を視野に当時の女性園長に事情聴取するなどして捜査を継続している。

◇    ◇

 原告として出廷した遺族は弁論後、報道陣や支援者に現在の心境や裁判への思いを述べた。父親は「(息子が亡くなったショックから)通常の生活に戻れず、今も立っているのがやっと。眠れない状態が続いている」と苦しい胸の内を明かした。「これから長い裁判が続くが、みなさんの応援をお願いしたい」と述べた。

 母親は「裁判を通じて息子がどんな状態で亡くなったのか母親として知りたい」と話し、「裁判をしても息子は戻ってこないが、(保育制度の見直しによって)未来の子どもたちの命が救われ、世の中が良い方向に向かってほしい」と声を詰まらせながら訴えた。

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