糸満の人間魚雷、ウルトラソーキが10周年 プロレス王・鈴木みのると激突 「プロレスで糸満を盛り上げたい」

鈴木みのる（右）と対峙するウルトラソーキ＝9月22日、糸満市のシャボン玉石けんくくる糸満

　琉球ドラゴンプロレスリングのウルトラソーキのデビュー10周年を記念した「RYUKYU ENERGY 2024〜ウルトラソーキ地元凱旋（がいせん）！〜」が9月22日、ウルトラソーキの地元である糸満市・シャボン玉石けんくくる糸満で開催された。「糸満の人間魚雷」の前に立ちはだかったのは、国内外のリングで活躍する「プロレス王」鈴木みのる（フリー）。最後は鈴木の代名詞・ゴッチ式パイルドライバーに沈んだウルトラソーキだったが、「ソーキ」コールで応援を続けた満員の観衆に向けて「プロレスで糸満を盛り上げたい。そのために俺は最強になってみせます」と再起と成長を誓った。

会場一丸「ソーキ」コール 鈴木が魅せる場外乱闘

　会場は完全にウルトラソーキのホーム感。子どもたちからも「ソーキコール」が鳴り響く中、鈴木のテクニックに序盤からペースをつかめずにいた。総合格闘技パンクラスの創設者だけあって打撃も強烈だ。やがて鈴木はソーキの首根っこを抱え込み、場外乱闘で会場の隅から隅まで引きずり回したり、観客席にぶん投げたりとやりたい放題。陰湿な指折り攻撃には会場からの悲鳴も上がり「世界一性格の悪い男」の異名を存分に体現してみせた。

　対するソーキも意地を見せ、高く抱え上げてからの垂直落下式ブレーンバスターや、長く走り込んでからのラリアットなどで見せ場を作り、終盤にはパワーボムを決めて2カウントまで奪う場面も見られたが、最後は客席からの「ソーキ！」との絶叫もむなしく無念の3カウント。勝利で故郷に錦を飾ることはできなかったが、満員の観客からの拍手や声援、指笛の音は糸満を大いに盛り上げていた。

　試合後には鈴木から「お前、もっと強くなって、もっと上の方来い。そしたらまた、やろうぜ」とエールを送られたソーキは再戦を熱望し「僕がそっちに行きます。世界に行きます。世界で闘った後は、またここ糸満でシングルマッチやってください」と志願した。

×ウルトラソーキ　VS　◯鈴木みのる17分23秒　ゴッチ式パイルドライバー　⇒　体固め

翔太が参戦 グルクンマスクが華麗な技で勝利

　第一試合はグルクンマスクVS翔太（フリー）のシングルマッチ。翔太は2016年12月以来の琉球ドラゴンのリングだ。試合後にグルクンマスクが「やっぱり翔太は手が合うねえ！ プロレスリングを堪能させてもらいました」とXに投稿するほど、息の合ったプロレスを見せつけた両者。序盤の組み合いの見せ方やチョップの応酬、派手な場外ダイブ、コミカルな客いじりなど、今回初めて見る人のためにも分かりやすくプロレスの魅力や楽しさを提示しながら、最後はアクロバティックなフランケンシュタイナーでグルクンマスクが勝利を収めた。

◯グルクンマスク　VS　×翔太10分32秒　フランケンシュタイナー　⇒　エビ固め

美ら海セイバーの驚異的ライオンサルト

　まえだみさきと美ら海セイバーの男女マッチ。軽々と宙を舞う空中殺法を次々見せていく2人の闘い。セイバーに踏みつけられたまえだが「女を足で蹴るな！」と怒りのチョップを繰り出すが、パワーではどうしても劣ってしまう。高い位置からのパワーボムを食らい、さすがにこれにて幕引きかと思われた中、意地でカウントを返すが、最後はセイバーがトップロープからリング中央までの長距離を飛ぶ驚異的なライオンサルトで試合を制した。

×まえだみさき 　VS 　◯美ら海セイバー9分37秒　ライオンサルト　⇒　片エビ固め

ヒールタッグがマスク剥ぎの暴挙！

　首里ジョーとRYUKYU-DOGディンゴのヒールタッグが開始早々から暴挙に出る。ゴングを待たずにティーラン獅沙とオリオンに襲いかかるが、ティーラン獅沙が序盤からダイナミックな大技を繰り出していき、デビューから1年少しのオリオンも体操選手顔負けの身体能力を武器に技を繰り出していくが、首里ジョーとディンゴの2人がかりの反則攻撃に苦しめられていく。問題はここからだった。首里ジョーがティーランを下すとそのままマスクを強奪。シングルタイトル「琉王」の挑戦を要求すると、怒りに狂ったティーランは10月25日、東京・新木場での決戦を宣言した。

×ティーラン獅沙 & オリオン　VS　◯首里ジョー & RYUKYU-DOGディンゴ14分38秒　スピアー　⇒　片エビ固め