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「透明性が担保できない」委員の氏名非公表に野党・中立市議ら反発 南城市ハラスメント問題 検証へ第三者委が発足

沖縄タイムス+プラス / 2024年10月16日 6時9分

第三者委員会の第1回会合で決まった主なポイント

 沖縄県南城市役所内のハラスメント問題の検証に向けた第三者委員会が15日に設置され、市役所内で第1回会合があった。同席した市議会の中村直哉議長によると、全委員5人の協議で当面は氏名を公表しないと決まった。事務局は市の総務課内に設置し、同課が日程調整や資料準備などを担う。一方、委員の氏名非公表や事務局体制に対し、野党・中立会派の市議や市民団体は「透明性が担保できず、調査機関としての信頼性を著しく損なう」「(調査対象の古謝景春市長と)利害関係のない部署に事務局を置くべきだ」などと強く反発した。

 委員には、市の要請を受けた沖縄弁護士会が2人、県社会保険労務士会、県公認心理師協会、南部地区医師会が各1人を推薦した。内訳は男性2人、女性3人。委員長には弁護士の男性、副委員長には弁護士の女性が互選で選出されたという。当面の任期は来年3月末で、當眞隆夫副市長が委嘱状を交付した。

 氏名については一部の委員から「外部からの情報をシャットアウトして議論したい」との意見が出たため、時期を見て公表する方針にしたという。

 会合があった市役所4階は午後3時ごろから約2時間半、フロア全体が関係者以外立ち入り禁止になった。「立ち入りを認めれば、会合で委員の氏名を非公表とした場合でも、委員が特定される」として中村議長の判断で措置を講じたという。11月25日予定の第2回会合でも同じ対応を取る見通し。会合後の報道陣の取材には議長が応じた。

 議長によると、委員らは今年6月に公表された市職員に対するハラスメントアンケートを一斉に検証すると膨大な時間がかかるとして、絞り込む方針を確認。古謝市長ら特別職によるハラスメントの案件を優先するかどうかを含めて今後詰める。第1回会合では委員長の指示で総務課職員が同席した。次回以降も委員長の指示を仰ぐという。

 一方、野党・中立会派の市議や市民団体「ハートのまち南城 人権ファーストの会」は委員の氏名公表を求めたほか、地方公共団体向けの日弁連の指針では、事務局には調査対象に利害関係のない部署の職員を充てることが望ましいと明記していると指摘。「総務課は市長と近しい関係にある。これでは公平中立が保てない」と訴えた。

(南部報道部・平島夏実)

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