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[社説]南城市第三者委 委員名非公表は妥当か

沖縄タイムス+プラス / 2024年10月17日 4時0分

 第三者委員会に求められるのは公平性や中立性、専門性や透明性の確保である。

 スタートの時点から、その体制に疑念が持たれるのは、残念としか言いようがない。

 南城市の古謝景春市長のセクハラ疑惑などを受けて、問題を検証するために設けられた第三者委員会の初会合が開かれた。

 委員は沖縄弁護士会から2人、県社会保険労務士会、県公認心理師協会、南部地区医師会から各1人の計5人。男性2人、女性3人で構成され、委員長には男性弁護士が選任されている。

 当日は副市長から委嘱状の交付があったが、なぜか委員名は公表されなかった。

 委員会が開かれた市役所4階では、フロア全体が関係者以外立ち入り禁止という異例の措置も取られた。

 氏名の非公表については、一部委員から「外部の情報をシャットアウトして議論したい」との意見が出たためという。一方で時期を見て公表する考えも示された。

 何を懸念しているのか、理由がはっきりしない。委員のプライバシーを守るという意味なのだろうか。

 第三者委の中立性が確保されているかどうかは、委員の氏名公表によって担保される側面があり、時期を見てというのは理解に苦しむ。

 市民団体などから「透明性が担保できず、調査機関としての信頼性を損なう」との声が上がっているが、もっともである。

■    ■

 南城市の第三者委設置要領には「市長は職場内のハラスメントについて、公平・中立な観点から専門的な知見を持つ第三者より意見・助言を求める」とある。

 第三者委は市議会特別委員会が職員を対象に実施したアンケートを基に検証を進めるものだが、発端となったのは古謝市長による元運転手女性へのセクハラ疑惑だ。アンケートでも市長からハラスメントを受けたとの訴えが計9件あった。

 そうであればなおさら、市長との利害関係はもちろん、個人的なつながりがないことを示さなければならない。

 過去には、生徒のいじめ自殺を受けて設置された第三者委を巡り、行政の人選が「中立性を欠く」とたびたび問題になった。

 市側に都合のいい人選をしたのではないかとの疑念を払拭し、市民の信頼を得るためにも氏名の公表は不可欠である。

■    ■

 日弁連は2021年、地方公共団体における第三者委の調査指針を策定した。

 その中で「調査に当たって非協力・妨害があったときは、その旨特記する」と記す。事務局体制についても「利害関係のない部署の職員をもってあてること」を求めている。

 市職員に対するアンケートには、驚くような発言や行為が並ぶ。

 この一件は、被害を受けた職員と市長の言い分の食い違いが目立つだけに、市民から誤解を招くことがないような委員会運営を求めたい。

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