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72年続いた沖縄そば屋「むつみ橋かどや」の味 後継断り続ける店主が認めた20年常連のバー経営者 浦添市の「喫茶燕」夫妻が手ほどき受け「味守る」

沖縄タイムス+プラス / 2024年10月17日 6時10分

「かどや」から受け継いだメニューの札やお盆を手にする「喫茶燕」店主の宮下和幸さん(右)、妻咲乃さん=16日、浦添市牧港

 今年6月に72年間の営業を終えた那覇市の沖縄そば屋「むつみ橋かどや」の味を、浦添市牧港の「喫茶燕(つばめ)」が受け継いでいる。かどやのわんもそのままに昔ながらの一杯を提供。店主の宮下和幸さん(49)は「変わらず味を守っていきたい」と意気込む。(社会部・勝浦大輔)

 那覇でバーを経営していた宮下さんは、仕事前の腹ごしらえに、かどやに20年近く通う常連だった。5月に妻の咲乃さん(48)と念願の喫茶店をオープンした頃、かどやの閉店を知った。

 「毎日食べられるような、昔ながらの一番おいしい沖縄そば」のかどやの味を前々から「継ぎたい」と考えていたという宮下さん。かどや店主の石川幸紀さん(69)が店を畳んだ後、ダメ元でお願いしに行くと、思いの他「いいよ」と二つ返事で快諾された。

 食材の仕入れ先はそのまま引き継ぎ、仕込み、提供法など1~2週間の指導を受け、7月下旬に「燕」のメニューに沖縄そばを加えた。不定期で店を訪れて味をチェックしているという石川さんも「80点以上」の評価をつける。

 石川さんは、継がせてほしいとの申し出を多々断っていたと明かす。宮下夫妻に限っては「人間性がどストライクで。2人にお願いされたら何だか断れなくてね」と振り返る。

 石川さんは「かどやの客が店に来ていろいろ言うと思うけど、めげずに頑張ってほしい。そうすればきっと見守ってくれる」と宮下さんにエール。自身、父から店を継いだ後の10年は「お叱りの言葉を頂いていた」と笑う。宮下さんは「批判があっても『腐らずやるように』と言われている。日々努力します」と誓った。

 喫茶燕の営業は午前11時~午後7時。木曜定休だが、沖縄そばの日のきょう10月17日は午後4時までオープンする。電話はない。インスタグラムは@kissa.tsubame.okinawa

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