27日は衆院選の投票に行こう 同時にある最高裁裁判官の国民審査、沖縄との関わりは
沖縄タイムス+プラス / 2024年10月26日 11時0分
今週は漫画「社外取締役 島耕作」を巡り、沖縄に関するデマが問題になった1週間でした。弘兼憲史さんが描く「島耕作」シリーズは1983年に始まり、課長から会長まで出世していく、おなじみの人気連載です。
講談社の漫画誌「モーニング」17日発売号に掲載された中で、名護市辺野古の新基地建設への抗議行動に「日当が出ている」という内容のデマが描かれていました。その後、講談社は編集部と弘兼さんとの連名で「おわび」と単行本での修正を発表しました。
作者側は「悪意はなかった」と釈明していますが、ストーリー展開とはあまり関係のない小話として盛り込んだ意図は何だったのでしょうか。ジャーナリストの安田浩一さんは次のように指摘しています。
弘兼氏は取材をしたと言っているがデマを口にする人はどこにでもおり、安易に裏取りをせずに掲載した編集部と弘兼氏の罪は非常に重い。デマは放置、容認すれば極端に言うと人を殺す。地域に亀裂を強いる。流すのは簡単だが、傷ついた人の心を癒やしたり、払拭したりするには大きな労力が必要になる。(全文はこちら)
また、ウェブのエキスパートEyeで、スマートフォンアドバイザーのモバイルプリンスさんも看過できない問題として次のようにコメントしています。
作者は「島耕作には、実際に現地取材をしたり、付き合いのある政財界のトップたちとの会話から得た『ナマの情報』をたっぷり詰め込んでいる」と述べています。島耕作シリーズの魅力の一つは、ストーリーの合間に挟まれる「経済界の小噺(こばなし)」にあると感じている読者も多いでしょう。そのため、事実に基づかない情報が作中で描かれ、デマが再生産されることの問題は看過できないでしょう。(全文はこちら)
晩節を汚してしまった島耕作。講談社は修正作業をしているそうですが、表面上だけでなく、沖縄が強いられている現状にも向き合ってほしいと思います。
27日は衆院選 政策チェックは特設ページで
衆院選の選挙運動期間は残すところ、きょう1日となりました。ウェブの衆院選特設ページでは沖縄選挙区1~4区に立候補している16人の政策をはじめ、「写真とデータでわかる衆院選2024」を配信しています。大事な一票を託す参考にしてください。投開票日の27日は沖縄選挙区の当確情報や全国の与野党の獲得議席数を速報します。
衆院選に合わせて、最高裁裁判官の国民審査も行われます。その役職にふさわしいかを有権者がチェックする制度で、「やめさせるべきだ」と思う裁判官の欄に「×」を付けます。各世帯に配られる国民審査公報もありますが、判断材料が乏しいと感じている有権者も多いのではないでしょうか。
今回審査対象になるのは6人。沖縄関連訴訟との関わりや法制度への考え方などを紹介しています。判断の参考にしてください。
ドラフト西武6位指名は強肩捕手
明るいニュースもありました。24日にあったプロ野球ドラフト会議でエナジックスポーツ高の龍山暖(はるき)捕手(18)が西武に6位指名されました。硬式野球部創部3年目の同校から指名を受けるのは初めてのことです。
なんと言っても持ち味はその強肩。今夏の全国高校野球選手権沖縄大会でエナジックは準優勝でしたが、龍山捕手が練習でビューンと矢のような二塁送球を見せるとスタンドから「おぉー」とどよめきが上がっていました。プロの舞台でも送球一つで沸かせられる選手になってほしいと期待しています。
他にも、沖縄市出身で神戸国際大付高の津嘉山憲志郎投手(18)がソフトバンク育成7位、南城市出身で千葉経済大付高の木下勇人外野手(18)がソフトバンク育成11位で指名されました。育成から支配下登録を勝ち取れるように、ちばりよー。
ルイ・ヴィトンも注目 沖縄育ちのスタートアップ
最後は世界的な有名ブランドも注目する沖縄育ちのスタートアップの話題です。果物の皮などを活用した100%オーガニックの吸水素材「EFポリマー」。農業分野での利用だけでなく、日用品や化粧品の分野へも進出を果たしました。
食料品の保冷剤はわが家の冷凍庫にもありますが、繰り返し使った後、どうやって処理したらいいのか悩みの種でした。EFポリマーを使った保冷剤だと、使用後に庭や観葉植物のポットの土に混ぜることで完全に土に返るそうです。
究極のエコ素材は、フランスの高級ブランド、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)などからの支援を受けることが決まっているとのこと。画期的な取り組みを読んでみてください。
大型の台風21号は来週にかけて暴風域を伴って沖縄本島に接近する恐れがあります。沖縄本島地方は今年に入ってから一度も暴風警報が発令されていないそうです。21号はどうなることやら。動向を注視していきたいですね。今週のデジ編チョイスはデジタル編集部の大門雅子が担当しました。
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