[社説][2024 衆院選]沖縄選挙区2勝2敗 基地・経済ともに解決を
沖縄タイムス+プラス / 2024年10月28日 4時0分
2009年の政権交代の再来を思わせるような、巨大なうねりが起きた。
第50回衆院選はきのう投開票され、自民・公明の与党が過半数を割ることが確実になった。
自民派閥の裏金事件で高まった不満や不信が爆発。有権者は政権へ明確にノーを突き付けた。
今後、どのような政権ができるのか。連立の枠組みによっては政権交代の可能性も浮上し、沖縄の基地問題でも新たな局面が予想される。
沖縄選挙区は、1区は共産党の赤嶺政賢氏、2区は社民党の新垣邦男氏、3区は自民党の島尻安伊子氏、4区は自民党の西銘恒三郎氏が当選を確実にした。
前回衆院選と同じ顔ぶれで、辺野古新基地に反対し玉城デニー知事を支える「オール沖縄」勢力と国政与党がバックアップする自民・公明勢力が2議席ずつを分け合ったことになる。
今回の選挙で基地と経済が変わらぬ二大争点であることも明らかになった。
自公は、今年6月の県議選で16年ぶりに過半数を獲得。22年の那覇市長選でも勝利している。
波に乗る自公が、その勢いで1区を制するのか、それとも全国で唯一、共産党候補が死守する「平和の1議席」を守り抜くことができるのか。その動向が注目されていた1区は赤嶺氏が自民の国場幸之助氏を振り切り選挙区で4連勝を果たした。
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県庁所在地の選挙区で共産党候補が政権党の候補に勝ち続けるのは異例といっていい。「反自公野党共闘」のシンボル的な選挙区だった。
2区では社民の新垣氏が、照屋寛徳氏から引き継いだ議席を死守した。こちらも社民唯一の選挙区議席だ。
四つある選挙区のうち二つを共産、社民が制したことは、戦後から今に至る沖縄の苦難の歴史を抜きにしては考えられない。若い層にどのような言葉を届けていくかが、両党の大きな課題である。
オール沖縄は辺野古を抱える3区で連続して敗れており退潮傾向に歯止めがかかったとまではいえない。 流れはどこにあるのか。党派別の得票率の推移や特に無党派層がどのように動いたかを詳しく分析する必要がある。
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今選挙は解散から投開票までわずか18日間という超短期決戦だった。物価高に対応する現金給付策や減税などさまざまな政策が飛び交ったが、財源を含めた政策論争は深まらなかった。
「政治とカネ」が争点だったにもかかわらず、裏金で非公認となった候補が代表を務める党支部に、自民党が活動費を支給していたことも判明した。自浄能力を発揮することができず、自壊したといっていい。
選挙期間中、自民党の候補者が公然と石破氏を批判するという異様な光景もみられた。選挙後の党内融和は容易ではない。
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