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「いつか一緒に走りたい」父が涙 難病の娘をバギーで押してハーフ完走 東京の夫妻、「琉球一美しい島」でマラソン

沖縄タイムス+プラス / 2024年10月28日 8時52分

娘の和さんの乗ったバギーを押しながらハーフマラソンを走る木暮康友さんと沙織さん夫婦=27日、久米島町謝名堂(新崎哲史撮影)

 【久米島】1161人が「琉球一の美しさ」とたたえられる島を駆け抜けた27日の沖縄・久米島マラソン。30度を超す真夏日となり、桃原秀雄町長が「暑い一日になる。体力と相談して楽しんで」とあいさつしたように、照りつける太陽との勝負になった。東京から参加した夫婦は、思い出の大会で、難病の子と共に家族3人でハーフマラソンを完走した。(南部報道部・新崎哲史)

 木暮康友さん(59)と妻の沙織さん(45)=東京都=は2歳の一人娘和さんが乗ったバギーを押して、21キロを走り切った。各給水所で和さんをクールダウンさせながら3時間4分43秒をかけて家族3人でゴールした。

 和さんは平均寿命が10代後半~20代前半とされる福山型先天性筋ジストロフィーを患う。

 木暮さん夫婦にとって久米島マラソンは、6年前に沖縄の友人らにサプライズで結婚を祝ってもらった思い出深い大会だ。

 沙織さんは「家族3人の思い出をいっぱいつくろうと出場した。暑さでくじけそうになったが、声を出して笑っていた和に励まされて完走できた」と笑顔を見せた。康友さんも「治療薬の研究も進んでいる。いつか、バギーではなく和と走ってマラソンを完走したい」と目頭を押さえた。

 沿道では子どもからお年寄りまで島民が総出でランナーを激励した。ゴール直前では、球美中と久米島西中の合同吹奏楽部が演奏でランナーを後押しした。

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