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木造築70年の商店を住民が共同売店に再生 地元の誇り・大綱曳の雰囲気が随所に 食堂や駄菓子屋も 沖縄・与那原町

沖縄タイムス+プラス / 2024年11月4日 7時34分

「ミージマ共同売店」のオープンを喜ぶ子どもたち=10月27日、与那原町・親川通りの入り口

 沖縄県与那原町新島(みいじま)区にある親川通りの入り口に10月28日、「ミージマ共同売店」がオープンした。地域のマチヤグヮーとして親しまれた木造築70年の伊集商店を地域住民がリフォーム。食堂と駄菓子屋、天ぷら・刺し身屋を兼ねた交流拠点としてよみがえらせた。天井に下がる綱のミニチュアや旗頭をモチーフにしたトイレの案内板など、大綱曳(ひき)のまち・与那原があふれる店内になっている。(南部報道部・平島夏実)

 店は国道331号沿いにあり、ピンク色のネオンが目を引く。代表は新島で生まれ育った大木太平さん(48)。会社員の傍ら、合同会社「ミージマ共同売店」を立ち上げ、経営を担う。コロナ禍に閉まった伊集商店は同級生の実家で、幼い頃からの思い出が詰まる。同区で工務店を営む新垣太志さん(45)を誘い、約1年かけてリフォームした。

 店内の綱のミニチュアは区長の具志堅毅さん(68)と編んだ。壁に飾られたのは28年前の与那原大綱曳の写真。町出身のアーティスト、KIYOMASA(キヨマサ)さんに頼んだ旗頭のデザインがトイレの案内板になった。

 柱などのペンキ塗りを手がけたのは「新島でいご子ども会」。与那原小4年の丸居陽(ひ)人(びと)さんは「頭にペンキかぶった! 取れなかったから髪切った」と笑う。

 伊集商店時代の懐かしのアイテムもある。同小6年の小波津天(たかみ)さんが「入り口にあったよ」と話すのが黒い招き猫だ。欠けていた左手部分を紙粘土で直して赤く塗ると、グローブを着けたボクサーのようになった。小さなサンドバッグに見えるのは、家の守護を願う護符「紫薇鑾駕(シビランカ)」。伊集商店を建てた際、大工が棟木に下げたものだ。

 店で提供する食事の目玉は、もちろん沖縄そば。与那原には大正時代から何軒もそば屋があり、山原船と陸路で肉やしょうゆ、かつお節、さらにまきが簡単に手に入った。当時から大綱曳の見物客などでにぎわっていたという。

 店の2階は将来、民泊施設にするという。営業は午前11時から午後7時。12月からは居酒屋タイムを設け、午後10時まで営業する。日曜定休。問い合わせは電話098(955)3846。

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