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[社説]南城市長書類送検 自ら進退決断すべき時

沖縄タイムス+プラス / 2024年11月8日 4時0分

 南城市の古謝景春市長からセクハラを受けたとして、市長の元運転手の女性が県警に被害申告していた件で、県警は古謝氏を強制わいせつ容疑で那覇地検に書類送検した。

 2022年12月9日夜、走行中の公用車内で当時運転手だった女性にわいせつな行為をした疑い。

 古謝氏は「やっていない」と否認している。書類送検についても「事実でないものを検察が起訴すること自体があり得ない」と強調した。

 一方、県警は今回、古謝氏の書類送検に際し起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。

 事件の覚知は同年12月中旬で、この間2年近くを要したことについては「車内で発生」という密室性を踏まえ慎重に捜査したと説明している。

 女性は今年2月、民事でも古謝氏らを訴えた。

 運転手として働き始めた直後から「一緒にお風呂に入るか」などのセクハラ発言を繰り返しされたとし、事件のあった日は、後部座席の古謝氏から胸を強くつかまれたなどと主張している。

 こうした女性の訴えに対し同9月には、古謝氏の家族が女性を虚偽告訴の容疑で県警に告発。これを受け県警は今回、女性についても書類送検した。

 ただ、女性に対しては起訴を求めなかった。

 同じ日に出した二つの書類送検で、それぞれ異なる意見が付いたのである。古謝氏はこの結果を重く受け止めるべきだ。

■    ■

 事件発覚後には、古謝氏がSNSに女性の個人情報や「(女性は)お金に困っていた」「セクハラを煽(あお)る言動が異常なので警戒していた」などと投稿したことも問題となった。

 女性は「受けた被害に加え、その後も加害者からの個人攻撃がなされ、今でも外を歩くのが怖い」と明かす。

 古謝市の対応は女性への誹(ひ)謗(ぼう)中(ちゅう)傷(しょう)につながっており、市長としての適格性を欠くと言わざるを得ない。

 事件を巡っては、女性が市の相談窓口に対応を依頼したにもかかわらず門前払いされていたことも問題になった。

 こうしたことを契機に市議会が実施した市職員らへのアンケートでは、他にも古謝氏からの被害を告発した記述が複数寄せられたのである。

 市民の不信は高まるばかりだ。市長が疑惑を抱えたまま、まっとうな市政運営ができるのか。

■    ■

 この間、古謝氏は全てのセクハラ疑惑を否定している。一方、説明が尽くされたとは言い難い。

 書類送検を受け、きょう市役所で会見を開くというが、これも公務の都合上5分間に限るという。質問に十分答えられる時間とは到底思えない。

 市政は混乱を来しており、いまだ事態が収束する気配はない。市民や市議からは辞職を求める声も上がっている。

 古謝氏は自らの責任において出処進退を明らかにすべき時期に来ている。

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