[社説]北部で記録的大雨 被害の把握と復旧急げ
沖縄タイムス+プラス / 2024年11月11日 4時0分
沖縄本島北部地方などが記録的な大雨に見舞われた。土砂崩れや河川の氾濫が相次ぎ、建物が全壊する被害も発生している。大気が不安定な状態はきょうも続く予報だ。引き続き警戒を怠らないでほしい。
本島北部では9日未明から早朝にかけて断続的に「線状降水帯」が発生した。
積乱雲が次々と生まれ、帯状に連なって猛烈な雨を降らせ続ける。気象庁は同日午前0時からの3時間で、名護、国頭、東、大宜味の4市村に計12回の「記録的短時間大雨情報」を発表した。
東村では1時間に101.5ミリ、午後4時までの24時間で486.5ミリの降水量となり、いずれも観測史上最大を記録した。
各所で浸水被害が発生したほか道路陥没による通行止めや、民宿の建物の一部が崩落するなどの被害が出ている。
10日夜現在、人的被害の報告はない。
しかし「胸の辺りまで水に漬かりながら避難した」「道路の冠水で車から脱出できず、水が引くまで車の上にいた」など数々の証言から危機的な状況だったことがうかがえる。
大宜味村では浄水場が浸水し、広い地域で断水が発生。復旧の見通しは立っていない。
県道14号は倒木や道路陥没により、名護市源河-東村有銘の約8キロで全面通行止めになるなど、今後の住民生活への影響も懸念される。
県や自治体は二次災害に注意しながら、被害状況の把握と復旧を急ぐべきだ。
■ ■
4市村では、翌10日早朝にも計6回の記録的短時間大雨情報が出された。
国頭村の比地川では氾濫が確認された。
民家1階の天井部分まで茶色の濁流が迫る映像は衝撃的だ。
水は次第に引いているというものの、午後4時半の時点で比地地区では、少なくとも床上・床下浸水が30件確認されている。
断続的な大雨で付近の地盤が緩んでいる可能性がある。
今後は降雨による土砂災害が起きやすくなる。ハザードマップなどで自宅や周辺の危険度をいま一度確認してほしい。
9日から10日にかけては鹿児島県・奄美でも線状降水帯が発生した。気象庁は9日未明、与論町に大雨特別警報を発表。11月の発表は2013年の運用開始後初めてのことだ。
■ ■
各地で線状降水帯の発生が相次いでいる。
気象庁は今年5月、線状降水帯が発生する可能性を12~6時間前に伝える「半日前予測」を県単位で発表する運用を始めた。
ただ今回、予測は出されなかった。現在の的中率は4分の1ほどといい、予測が出ない場合もあるという。さらに精度を高める努力が求められる。
一方、気象情報やハザードマップなどを組み合わせ一人一人が的確な対応をとることは今も可能だ。
どこでも起こりうると認識して、平時から備えておきたい。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
個人や企業・団体から集まった豪雨義援金500万円、名護市に託す 沖縄タイムス社
沖縄タイムス+プラス / 2024年12月26日 5時36分
-
「人災なのに沖縄県が全額出さないのはおかしい」 国頭村比地区の住民、浸水被害の修理費を巡り訴え
沖縄タイムス+プラス / 2024年12月20日 7時18分
-
国頭村比地区の浸水被害は100年に一度の大雨 「浚渫しても防げなかった」 沖縄県の説明に住民は…
沖縄タイムス+プラス / 2024年12月14日 13時36分
-
【北部豪雨1カ月】沖縄・国頭村、今なお20人が避難生活 「今後どうしよう、夜も不安で目が覚めるよ」
沖縄タイムス+プラス / 2024年12月8日 9時58分
-
通行止めだった沖縄県道14号が通行可能に 本島北部豪雨の影響、20日ぶり
沖縄タイムス+プラス / 2024年11月29日 15時56分
ランキング
-
1政治資金問題へのけじめ…自民党が「赤い羽根募金」に7億円超を寄付へ、党費などを原資に拠出
読売新聞 / 2024年12月26日 20時38分
-
2JALサイバー攻撃 75便に欠航や遅れ 最大4時間の遅れも
毎日新聞 / 2024年12月26日 19時38分
-
3『タイヤ館』新入社員が入社後わずか8か月“パワハラ”で自殺 両親は「パワハラを認め、謝罪してほしい」と運営会社を提訴
MBSニュース / 2024年12月26日 18時25分
-
4生理休暇中に海外旅行し懲戒免職処分、45歳女性教諭 夫とのけんか調査で虚偽発覚
産経ニュース / 2024年12月26日 16時46分
-
5寒さが大敵の「心筋梗塞」、防ぐための10箇条とは
ウェザーニュース / 2024年12月26日 14時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください