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イルカが大群で押し寄せた集落にモニュメント復活 かつて肉を売ったお年寄り「上等になった」と喜び 沖縄・名護市

沖縄タイムス+プラス / 2024年11月11日 6時43分

樹木が伐採され整地された交通安全の塔のイルカのモニュメントを紹介する世冨慶区の比嘉秀樹区長=10月23日、名護市世冨慶の海岸

 「安全運転してイルカ」-。沖縄県名護市世冨慶の国道58号沿いの海岸に、交通安全のモニュメント「ヒートゥ之碑」がお目見えした。木々に覆われて見えなくなっていたが、このほど伐採されて8年ぶりに全身が姿を現した。世冨慶区民が久しぶりのヒートゥの碑に喜んでいる。(玉城学通信員)

 名護湾にはかつて、ゴンドウクジラ科の「コビレゴンドウ」(イルカ)が大群で押し寄せ、名護は「イルカの里」として知られた。

 ヒートゥ之碑が建立された後、次第に海岸に多く自生するオオハマボウ(ユーナ、ユナ)やアダン、テリハボクなどが生い茂り、姿が見えなくなっていた。

 モニュメントのヒートゥは高さおよそ2メートルの台座に2メートル60センチの体長で建立され、世冨慶区の「竜宮神」へ向いている。

 同区の比嘉徳勝さん(73)は「過去に1度オオハマボウなどの伐採を試みたが、諸事情で断念した。それにしてもヒートゥの全身の姿が見えるのが一番です」と笑顔で話した。

 23歳の頃、世冨慶海岸でヒートゥをさばいて売ったことがあるという同区の渡具知俊子さん(88)は「やっさいびーんど こーいみそーれと大きな声を張り上げたら3キロや5キロの肉の塊がよく売れました。長い間ユーナに隠れていたのに今は上等になっている」とうれしそうに話した。

 東江小6年の上間慶さんは「ヒートゥの周辺が明るくなり、運転手も安全運転してくれるでしょう」と話した。

 同区の比嘉秀樹区長は「ヒートゥと言えば名護、名護と言えばヒートゥ。交通安全の塔はドライバーに安全運転を呼びかける目的なので、全身姿が見せられてヒートゥもうれしく感じていると思う」とうれしさをかみ締めていた。

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