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11月なのに台風が多発するのはなぜ 沖縄は土砂災害に注意【週末の天気解説】

沖縄タイムス+プラス / 2024年11月15日 17時30分

 

 11月に入って、台風22号、23号、24号、25号が相次いで発生し、一時的に4個の台風が同時に存在しました。台風が4個同時に存在するのは11月の統計史上初めてのこととなります。

 11月に台風が多く発生した要因として、太平洋西部の海面水温が平年よりも1℃から2℃程度高くなっていること、高気圧のへりを偏東風が吹き続けることで上昇流が発生し、台風の卵となる雲の渦を発生させやすい気圧配置だったことなどが考えられます。

25号の後、24号が北上

 11月15日(金)午後3時現在、台風25号はバシー海峡にあって、北北西へ進んでいます。今後は北寄りに進み、16日(土)には沖縄の南海上へ進み、17日(日)には熱帯低気圧へ変わる見通しです。

 一方、台風24号はフィリピンの東にあって西へ進んでいます。18日(月)には南シナ海へ進む予想です。2個の台風が相互作用を及ぼした場合、進路予想が変わる可能性もあり念のため注意が必要です。

 沖縄地方に11月に台風が接近するのは、2019年11月の台風27号以来となります。2019年の台風27号は、11月20日午前9時にフィリピンの東で発生し、22日の午前9時に石垣島の南海上へ進み、22日の夜遅くに宮古島地方にかなり接近した後、宮古島付近で熱帯低気圧へ変わりました。沖縄本島地方と先島諸島の海上ではしけとなりました。

台風が相互作用を及ぼす“藤原の効果”とは

 2個の台風が近くにあると、相互作用によって影響を及ぼすことがあります。これを“藤原の効果”といい、元中央気象台長の藤原咲平さんが紹介したのが始まりとされています。藤原の効果は大きく六つに分けられ、藤原の効果の及ぼす範囲はおおむね1000キロ程度とされています。 

■相寄り型
弱い台風が強い台風に取り込まれる
■指向型
一方の台風が、もう片方の台風の周りを進む
■追従型
一方の台風の後を追うように、もう片方の台風が追従する
■時間待ち型
一方の台風が過ぎ去った後に、もう片方の台風が動き出す
■同行型
2個の台風が並んで進む
■離反型
東側の台風は加速して北東方向へ進み、西側の台風は西寄りに進む

11月下旬に寒気流入 上着の出番

 12月1日(日)にかけての那覇の天気と気温を見てみましょう。11月22日(金)ごろにかけて、台風25号や台風25号から変わる見込みの熱帯低気圧からの湿った空気の影響を受けて曇りや雨の天気が続く見込みです。雨の降り方に注意が必要です。

 23日(土)ごろは天気が回復するものの、その先も変わりやすい天気が続く見込みです。この先も気温の高い日が続きそうですが、27日(水)ごろを境に、寒気が入り気温が大きく下がるでしょう。上着や冬服の準備をお願いします。

 県内各地ではこれまで暑さが続いていて、那覇では16日(土)に最高気温が30℃以上の真夏日になると、那覇の1890年からの統計史上、最も遅い真夏日の記録に並びます。(これまでの真夏日の最も遅い日は1898年11月16日30.7℃)

 久米島では今月10日(日)に30.1℃を観測し、統計史上最も遅い真夏日となりました。宮古島は1998年11月15日が最も遅い真夏日でしたが、本日の最高気温は29.9℃で真夏日とはなりませんでした。

 沖縄地方は向こう2週間も暖かい空気に覆われやすくなるため、14日(木)に「高温に関する早期天候情報(沖縄地方)」が沖縄気象台から発表されました。20日(水)ごろからかなりの高温になる予想として注意を呼びかけています。(かなりの高温の基準:5日間平均気温平年差+1.8℃以上)

季節外れの大雨 週末も警戒

 沖縄本島地方は11月7日(木)から10日(日)にかけて、高気圧のへりを回る湿った空気や、沖縄本島の北の海上に発生した低気圧の影響などで大雨となりました。9日(土)は本島北部に線状降水帯が発生し、顕著な大雨に関する沖縄本島地方気象情報が3回発表され、記録的短時間大雨情報は一連の大雨で計18回発表されました。

 9日(土)の日降水量は東村平良で403.5ミリ、国頭村比地では155.0ミリを観測し、11月として統計史上1位の降水量となりました。7日(木)から10日(日)までの総降水量は東村平良で656.0ミリ、国頭村奥で519.5ミリとなるなど、沖縄本島北部を中心に猛烈な雨が降り続け、季節外れの大雨となりました。ただ、この週末も台風の影響が心配されます。

最低気温が下がらず熱帯夜も

 沖縄地方は台風周辺の湿った空気の影響で、16日(土)から17日(土)にかけて、沖縄本島地方や宮古島地方、八重山地方では大気の状態が不安定となる見込みです。沖縄本島北部などでは先日の大雨で地盤の緩んでいる地域がありますので土砂災害に警戒が必要です。大東島地方では晴れ間もありますが雲が多くなりそうです。

 最低気温は、25℃を下回らない所も多く、熱帯夜が続きそうです。最高気温は沖縄本島地方や大東島地方では27℃前後、宮古島地方や八重山地方では28℃前後まで上がり、10月上旬並みの暑さの所があるでしょう。

崎濱綾子
気象予報士/防災士(株式会社ウェザーマップ)
 沖縄県宜野湾市生まれ。ミスはごろもとして地元の観光大使を務める。RBC琉球放送でラジオ・テレビのリポーター、QAB琉球朝日放送で気象キャスターを担当。2005年に沖縄初の女性気象予報士となる。2005~2016年3月までRBC琉球放送の夕方のニュース番組で月~金曜日の気象キャスターを担当。2016年4月から東京の本社で勤務。Yahoo!ニュース動画出演・記事執筆を担当。Yahoo!ニュースエキスパート。好きな天気現象は、夏至南風(カーチーベー)。

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