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心地よい見え方を追求 発達障がいや生きづらさ抱える人を支える眼鏡「イノチグラス」 沖縄の「目育士」が色や光を調整

沖縄タイムス+プラス / 2024年11月19日 9時21分

「丁寧にその人に向き合うため、検眼には2時間半かかる」と話す諸留将人さん=9月、読谷村

 特殊なカラーレンズを使い、その人に合った「心地よい見え方」を追求する眼鏡「イノチグラス」が、沖縄県内で作製されている。手がけるのは、精神保健福祉士の資格を持ち、読谷村でマッサージやカウンセリングなどの事業所を営む諸留将人さん(44)。「見えづらさの解消は、体や心の安定にもつながる。イノチグラスが自分らしく生きるためのツールになればいい」と話す。(社会部・大庭紗英)

 イノチグラスは、大分県に本社を置く「innochi」の灰谷孝代表が、発達障がいや生きづらさを抱える人を視覚から支えることを目的に開発。視覚のゆがみや目に入ってくる色や光を調整することで「集中しづらい」「人の顔を認識するのが難しい」といった見え方に関する悩みの改善を目指す。

 普及が進むIT機器やLEDライトなどから発される強い光で、無意識のうちに「まぶしさ」や生活のしづらさを感じたり、体内リズムが乱れたりしている人は多いという。

 イノチグラスの大きな特徴はカラーレンズ。まぶしい光をレンズを通してそれぞれの特性に合った色の光に変える。東北大学大学院などによって、色が運動機能などに与える影響についても研究が進められているという。

 精神保健福祉士として、精神科病院での勤務や地域の福祉活動に関わってきた諸留さん。「人の発達」について深く学ぼうと教えを仰いだのが灰谷さんだったことをきっかけに、2019年に同社が独自に認定する「目(め)育(いく)士」となった。

 目育士は視力検査に加えて、眼精疲労や姿勢の負担につながる視線のずれ「斜位」の測定、カラーテストを実施し、その人の目的に合った色や光、度数、フレームを丁寧に絞り込んでいく。赤、青、緑、黄色などのカラーレンズを提案し、色の濃度も細かく選ぶ。左右で違う色のレンズを入れる場合もあるため、その組み合わせは何万パターンも存在する。

 諸留さんが手がけたイノチグラスを使う人からは「本が読みやすくなった」「人に優しい気持ちで過ごせている」などの感想が寄せられているという。諸留さんは「生きづらさを感じている人がいたら、目をうまく使えていないことが原因かもしれない。見え方を最適に調えることでその人の生き方を支えたい」とほほ笑んだ。問い合わせのサイトは下記のURLから

https://innochi-glass.jimdosite.com/%E3%81%8A%E5%95%8F%E3%81%84%E5%90%88%E3%82%8F%E3%81%9B/

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