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1年前は100メートル走れず 大腸がんと再発の不安を克服 教え子と完走「マラソンは心の安定剤」 

沖縄タイムス+プラス / 2024年12月2日 5時16分

完走を果たし笑顔を見せる武野麻衣子さん(右)と教え子の赤嶺美羽さん=1日午後2時54分、那覇市・奥武山公園陸上競技場

 大腸がんを乗り越えて出場した武野(たけの)麻衣子さん(47)=浦添市=は、4時間55分26秒でゴールした。1年前は100メートルも走ることができない状態から練習を重ね南部路を走り抜いた。「次は世界7大マラソンを制覇したい」。武野さんは自分の足で走る幸せをかみしめた。

 武野さんは中学校の教員。2019年4月頃にマラソンを始めたが、体調不良が続き、翌年に大腸がんが発覚。「多忙を極めた教員生活が負担になったのか」と悔やんだ。

 幸い早期発見のためステージ0で摘出に成功。ただ、がんの影響で精神的な不調に追い込まれた。「心配をかけたくない」と両親には今もがんのことを伝えられていない。

 がん摘出後、1度は復職したが再発が不安で不眠症に。「気持ちが落ち込んだこの5年間は、生きるために一生懸命だった」と振り返る。そんな中でのマラソンは自分に向き合うことのできる心の安定剤だった。

 1日は教え子で那覇国際高校1年生の赤嶺美羽さん(16)も出場。完走後、2人は抱き合いうれしさを分かち合った。がんを克服して走り抜いた恩師に「先生の笑顔で自分も元気になる」と回復を喜んだ。「完走できた自分がうれしい。これで仕事やがんにも打ち勝った」と武野さんは笑顔でメダルを握り締めた。(社会部・末吉未空、吉田光)

 

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