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那覇の老舗かまぼこ店「ジランバ屋」に、国際文化祭、スタートアップも 共通する漢字は「継」!

沖縄タイムス+プラス / 2024年12月14日 10時0分

 今週、日本漢字能力検定協会が、2024年の世相を1字で表す「今年の漢字」を発表し「金」に決まりました。パリ五輪・パラリンピックでの日本選手活躍などの「金(きん)」と、政治の裏金問題や闇バイト強盗などの「金(かね)」、光と影の両面で注目されたことが理由としています。

 「金」は過去30年で5回目と最も多く、選ばれた年には必ず五輪・パラリンピックが開催されています。影の部分に関しては、県内でも特殊詐欺が多発しています。11日時点で151件となり、すでに昨年1年間の3倍の件数だそうです。年末に向けて被害が増えているようで注意が必要です。

継いで守る地域の魅力

 今週、うれしいニュースが飛び込んできました。今年5月に閉店した那覇市の牧志公設市場隣のかまぼこ店「ジランバ屋」が、ポーク卵おにぎりの「ポーたま」に事業承継されました。創業から100年近く愛される名店の味が、早ければ来年6月にも帰ってくるそうです。

 観光客に人気のポーク卵おにぎりを販売して、海外にも進出するポーたまの清川勝朗社長は、老舗を守り「マチグヮーの活性化に貢献したい」と、事業承継を決意したといいます。地元客に愛されるお店が受け継がれることが、その地域の特色や魅力になり、街のにぎわいにつながります。

 事業承継を仲介した県事業承継・引継ぎ支援センターなどは、後継者が見つからず、ひっそりと事業を終了する「サイレント廃業」が増えているといい、相談を呼びかけています。これまでの支援事例は、こちらの連載で紹介されています。

成長や魅力の創出に期待

 親族でも従業員でもない第三者への事業承継(M&A)は、後継者不足に悩む中小企業だけでなく、スタートアップの成長戦略としても有効です。タクシー・ライドシェア事業のnewmo(ニューモ)が沖縄に進出し、newmo沖縄を立ち上げました。彼らは複数の既存のタクシー会社を合併・買収(M&A)する「ロールアップM&A」という戦略で、短期間で急成長を遂げることに成功しています。沖縄での事業展開などに迫ったこちらの記事をチェックしてみてください。

 また、沖縄の観光閑散期の誘客材料として期待が高まるのが、今年4月に第16回で閉幕した「沖縄国際映画祭」の後継イベント「島ぜんぶでお~きな祭 沖縄国際文化祭」です。

 来年4月5、6日に開かれ、目玉だった芸能人や映画関係者らが集う「レッドカーペット」もあるそうです。

 観光業界からは、経済効果が見込まれることから歓迎の声が上がります。イベントの目的である「観光誘客」「沖縄振興」「人材育成」にもつながり、沖縄の新たな魅力の創出になることを期待します。

週末は天体ショー日和?

 今週末、三大流星群の一つ「ふたご座流星群」が出現のピークを迎えるそうです。流星群の活動が最も活発になる「極大」は13日午後10時ごろだそうですが、国立天文台によると「12日夜から115日明け方までの3夜は、普段よりも多くの流星を見ることが期待できます」。夜更かしできる週末に当たるなんて天体観察のチャンス! 「沖縄で観測するには?」という疑問に答える、こちらの記事をぜひお読みください。

 気象予報士・崎濱綾子さんの人気お天気コラム「うちなぁ季節めぐり」によると、今週末はすっきりしないお天気で、北寄りの風が非常に強まり気温より寒さを感じそうです。しつこいせきが長期間続く感染症「百日ぜき」もはやっているようで、こちらもご注意ください。

 最後に。金曜日には、本島中部で16歳未満の少女を誘拐・暴行した米兵に実刑判決が言い渡されました。

 判決が出たことで事件が一区切りついたように映るかもしれませんが、これで終わりではありません。心の傷のケアなど少女に寄り添いながら、二度と同じような悲劇が起こらないように取り組みを続ける必要があります。また、日米政府が当初、事件を沖縄側に知らせなかった点について、再発防止策が機能しているかも含めて、引き続きチェックしていかなければならないと思います。今週は、デジタル編集部の川野百合子が担当しました。

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