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[社説]政治改革3法成立へ 「穴」ふさぐ議論継続を

沖縄タイムス+プラス / 2024年12月19日 4時0分

 政治資金規正法再改正案を含む政治改革3法案が成立する見通しだ。与野党の賛成多数で衆院を通過し、きのう参院での審議に入った。

 このうち一つは野党7党が提出した、政策活動費を全廃する政治資金規正法の改正案だ。

 政策活動費は政党から議員個人に支出される。使途公開の義務がなく、自民党では歴代幹事長に毎年10億円前後が支出されていることが問題視されてきた。

 しかし6月の規正法改正で自民は、強い批判を浴びながらも温存を図った経緯がある。再改正の声が高まる中、今国会でも政党の資金支出先を一部非公開にできる独自法案を提出していた。野党の強い反発を受けて断念せざるを得なくなった形だ。

 先の衆院選で自民は大敗し、公明党とともに少数与党に転落した。「政治とカネ」の問題を契機に自公政権への強い不信感を示した民意が、与党を大幅な譲歩に追い込んだと言えよう。

 政治資金全般を監視する第三者機関の設置法案は国民民主党と公明が提出し、自民や野党が賛成。外国人と外国法人の政治資金パーティー券の購入禁止や政治資金収支報告書のデータベース化などを盛り込んだ法案は自民が提出し、公明と野党が賛成した。

 詳細な制度設計はこれからだが、政治資金の透明性確保に向け与野党が互いに歩み寄り合意に至った。新しい政治の形として歓迎したい。

■    ■

 一方、野党4党派で提出した企業・団体献金の禁止法案に関しては自民が抵抗し、採決は見送られた。

 立憲民主党が「改革の本丸」と臨んだものの、政治団体からの献金を巡り批判が出て、野党の足並みがそろわなくなった。

 ただ、献金元の意向に沿い「政策がゆがめられる」との懸念は根強い。共同通信の世論調査でも「禁止すべきだ」との回答が過半数に達している。

 自民がそれでも維持するというのであれば、石破茂首相には次期国会で説得力ある答弁が求められる。

 今国会では、裏金事件に直結する政治資金パーティーの規制強化についてほぼ俎上(そじょう)に上らなかった。野党内にもパーティー収入に依存する議員がいることが背景にある。

 だが裏金事件で議員らの順法意識の欠如が露呈したことを考えれば、メスを入れる必要があるだろう。

■    ■

 国会では裏金関係議員を対象にした政治倫理審査会も始まっている。

 しかし、これまで出席した議員らからは派閥幹部や事務局に従っただけとの発言が相次ぎ、実態解明につながる証言は出ていない。

 過去の政倫審では旧安倍派幹部が説明責任を果たしたとは言えない態度に終始した。

 今回も同様の結果に終わるようであれば、国民の信頼回復は遠い。

 与野党が伯仲する緊張感の中で、民意を反映した政治改革を前に進めなければならない。

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