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倒木した豊見城市座安小の「100年ガジュマル」 地域のシンボルが絵本で復活 児童の力作が挿絵に

沖縄タイムス+プラス / 2025年1月1日 13時0分

地域のシンボルだった樹齢114年の座安小のガジュマル。台風で倒木した=2022年9月6日(国吉聡志撮影)

 2022年9月の台風11号で倒木した沖縄県豊見城市立座安小学校の「100年ガジュマル」がことし、絵本になって「復活」する。昨年発足した同校PTA読み聞かせ部が謎解き体験型ゲームの脚本として描き下ろした物語「黒い龍とがじゅまる」の結末が100年ガジュマルに重なることから「倒木した地域のシンボルを語り継いでいこう」と絵本化の計画が持ち上がった。12月25日には挿絵を描く児童を決めるコンテストの結果が発表され、最優秀賞に 選ばれた6年の比嘉紗良さんは「やる気がみなぎっている」と創作意欲を燃やす。(南部報道部・新崎哲史)

 座安小のガジュマルは、1908年に同小の前身、第二豊見城尋常小学校の1期生の入学を記念して植樹された。倒木まで114年を生きたガジュマルは地域のシンボルでもあった。

 黒い龍とがじゅまるは、琉球王国時代に人々を苦しませた3匹の龍のうち黒い龍が封印を逃れ、首里の南の村で悪さをする物語。村を見守っていたガジュマルが龍との対決を決意し、「3度の攻撃を受けても私が倒れなかったら村から出ていけ」と宣言。暴風に日照り、雷を耐えたが、瀕死(ひんし)の状態で4度目の攻撃を受けそうになった時に…と感動の終幕に進む。

 同小出身の平良満PTA会長は「小学生の時はよくガジュマルに登って何人も落ちていた。思い出がよみがえる」と振り返る。

 読み聞かせ部は12月に挿絵の担当者を決めるコンテストを開き、94点の作品から全校児童の投票で、比嘉さんの他、優秀賞に大城巴琉(はる)さん(6年)、佳作に上原あやささん(5年)、翁長姫優(きひろ)さん(同)、瑞慶山作(つくる)さん(3年)を選んだ。

 比嘉さんは今後、入賞作品以外に8枚の絵を仕上げる予定で「龍とガジュマルの対決を頑張って描きたい」と意気込む。

 優秀賞の大城さんは「じっくり考えて締め切りぎりぎりまで色を重ねた。採用されてうれしい」と喜ぶ。入賞者全員の作品を絵本のどこかに採用する予定という。

 絵本は6年生が卒業する3月までに製本予定。読み聞かせ部は広く資金造成を呼びかけており、協力に名乗りを上げる自治会も出ている。

 喜舎場奈津美部長は「多くの人がガジュマルで遊んだ経験があり応援してもらっている。絵本にすることで100年先も座安の宝を語り継ぎたい」と力を込めた。

 寄付などの問い合わせは喜舎場部長、電話080(3981)5014。

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