沖縄本島370キロ、4泊5日の旅 親子2人で自転車一周 小学6年の娘「挑戦わすれない」

琳音さんと司さんを出迎えた家族や親戚

　【与那原】与那原町板良敷に住む町職員の山城司さん（48）と末娘の琳音（りこ）さん（12）＝与那原東小6年＝は自転車で沖縄本島一周（約370キロ）に挑み、1月2日、自宅に到着して達成した。2人は充実感にあふれた笑顔を見せ、集まった家族や親戚18人と喜びを分かち合った。（南部報道部・国吉聡志）

　司さんには4人の子どもがいる。親子で何かに挑戦する思い出をつくりたいと、子どもが小6になった年の年末年始に自転車で県内を一周している。

　今回、司さんと琳音さんは昨年12月29日に自宅を出発し、国道331号をたどって糸満市まで南下。西側の国道をこいで国頭村まで北上し、同村奥の最北端から東回りで自宅を目指した。ペースは時速10キロで一日8時間。読谷村、名護市、国頭村、宜野座村に宿泊し、4泊5日の行程だった。

　自転車での旅路は「毎日きつかった」（司さん）、「いつも帰りたいと思っていた」（琳音さん）と振り返るように楽ではなかった。そんな中、読谷村や名護市、金武町などで司さんの大学や職場の友人が駆け付けて激励。琳音さんは「あれで前を向けた」と語る。

　国頭村のアップダウンが激しい山道は2人で声をかけ合い、ツーリングのバイクに注意しながらペダルをこいだ。同村安波の共同売店では忘年会に参加し、地元の人たちとも交流した。

　司さんが本島一周を始めたのは、長女の音葉さん（23）が小6だった11年前。今回、ゴールの前日、「琳音がゴールすると、子どもと自転車をこぐ機会はなくなるのかな」と寂しい思いがよぎったという。「琳音は素直で聞き分けがよく、スポーツもできる。中学でも、いろいろなことに挑んでほしい」とエールを送った。

　琳音さんは「バレーボールに打ち込んでいて、中学でも続けたい。挑戦する心を忘れず、友だちをたくさんつくりたい」と語った。