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急病人を助ける・火事を消す・認知症に気付く 弁当を宅配して高齢者を見守り 沖縄・読谷村の海邦福祉会

沖縄タイムス+プラス / 2025年1月13日 10時9分

調理場で弁当を手にする海邦福祉会職員の嘉手苅尚志さん(左)と上司の池原達史さん=8日、読谷村都屋・読谷村農林水産物加工センター

 急病人を助ける、火事を消す、認知症に気付く-。沖縄県読谷村高志保の社会福祉法人・海邦福祉会が1人暮らしの高齢者らに30年前から続ける弁当宅配サービスが、見守り役を果たしている。顔を見て手渡しする中で日々の変化を察知する職員たちは「会話を心待ちにするお年寄りも多く、ニーズは絶えない」と語り、自治会と連携し販路拡大を目指している。(デジタル編集部・新里健)

 弁当は500円で、村内産の規格外野菜を使う。洗って切って調理するのは、知的障がいのある8人。同福祉会は就労支援の一環で、調理場がある読谷村農林水産物加工センターの指定管理も2017年から担う。現在は昼・夕食用にそれぞれ最大35食を届けている。

 職員の嘉手苅尚志さん(41)は昨年10月、配達先の70代女性がキッチンにもたれかかり、つらそうにしているのを発見。頭痛や冷や汗、嘔吐(おうと)があり「普段と様子が違う」と家族に電話し、救急車を呼んだ。診断は脳梗塞。「本人からは大丈夫と言われたが、そのままにせず冷静に対応できた」と振り返る。

 上司の池原達史さん(45)によると、数年前には弁当を届けたのに利用者から「来ていない」と5回電話があり、応答した職員が認知症に気付いた。別の高齢者宅では、ドアを開けた瞬間、部屋に充満する煙に職員が驚き、自らぼやを消した。過去には子育て世代から「出産のため急きょ入院したので、夫と子どもの夕食用に」「夫のダイエットのためにヘルシーな食事が欲しい」と頼まれて応じたこともある。

 今後は宅配に加え、自宅近くに大きなスーパーやコンビニがない高齢者向けに、公民館へまとめて届けられないか、地元の高志保自治会と検討中だ。同福祉会の知念隆生理事長(47)は「お年寄りが近くの公民館に取りに来てもらえたら、外出や会話、安否確認のいい機会になる」と狙いを語る。

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