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アレルギー性鼻炎、沖縄はダニが原因も 集中力の低下や睡眠障害など 適切な治療で症状管理

沖縄タイムス+プラス / 2025年1月22日 10時33分

[命ぐすい耳ぐすい 県医師会編](1352)

 アレルギー性鼻炎は国民の約半数が罹(り)患(かん)する、多くの人が悩む疾患です。花粉症(スギ花粉など)に代表される季節性のものと、ダニやペットの毛などが原因で起こる通年性のものがあります。県内の市街地では他県のような花粉の大量飛散はなく、花粉症はほぼないですが、高温多湿な気候などによるダニが原因の通年性アレルギー性鼻炎は多いです。

 症状はくしゃみや鼻水、鼻づまりですが、集中力の低下や睡眠障害を引き起こすこともあります。診断は医師による問診や視診に加えて、鼻汁好酸球検査や抗原同定検査(血液検査や皮膚テストなどでアレルギーの原因物質を特定)をします。

 治療方法は以下があります。

 (1)抗原の除去と回避 掃除や除湿機の使用などによるダニの発生抑制、ペットと寝室を分けるなど。

 (2)薬物療法 抗ヒスタミン薬やステロイド鼻噴霧薬が代表的です。比較的安全に使用でき、長期に服用することもあります。さまざまな薬物があり、効果に個人差もあるため、効果のある薬物を覚えておくことが大事です。

 (3)アレルゲン免疫療法 少量の抗原(アレルゲン)を投与することでアレルギー症状を緩和する治療です。スギ花粉、ダニに対しては安全性が高い舌下免疫療法が主です。数年にわたる長期的な治療となりますが、唯一アレルギー性鼻炎の根本的な治療とされています。

 (4)手術 主に鼻閉改善を目的としたコブレーターやレーザーを用いる鼻粘膜変性手術。鼻中隔矯正術や粘膜下下鼻甲介骨切除術といった鼻腔(びくう)形態改善手術。くしゃみや鼻汁に対する後鼻神経切断術といった手術があります。

 アレルギー性鼻炎は完治が難しく、体質だから仕方ないと考えて医療機関を受診しない方が多い現状がありますが、適切な治療と対策によって症状を効果的に管理することは可能です。薬物療法以外の治療もあり、医師と相談し、自分に合った治療法を見つけることが快適な生活を送る鍵と考えます。(山下懐こころ耳鼻咽喉科=西原町)

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