花開く歌声 感動の旋律 第70回全琉音楽祭 出演者を写真で紹介 1月25日、沖縄市民会館大ホール

 

　県内学校音楽の粋を集めた第70回全琉音楽祭（主催・県音楽教育研究会、沖縄タイムス社）が25日午後1時から、沖縄市民会館大ホールで開かれる。

　同音楽祭は、沖縄を代表する音楽家の故宮良長包氏を顕彰するイベントとして1956年に始まった。情操教育の振興と学校音楽教育の向上を目的とし、その年度に顕著な成績を収めた県内の小学校から大学までの団体・個人を招いて舞台がつくられる。

　70回を記念し、県立芸大の琉球芸能専攻の学生が幕開け斉唱で初出場する。フィナーレでは、宮良氏の代表曲「えんどうの花」を参加者全員で歌う。今年は19校から500人以上が出場し、みずみずしい歌声や豊かな旋律を披露する。出演する学校・個人を紹介する。（敬称略）

　入場料は大人1500円、小学生～高校生500円（未就学児無料）。全席自由。チケットは当日会場もしくは沖縄タイムス社、コープあぷれ、リウボウチケットカウンター、イープラス、ローソンチケット、各出演校で販売。問い合わせは沖縄タイムス社事業局文化事業部、電話[phone]。詳細は特設サイトから確認できる。

特設サイト
https://okinawatimes.jp/news/52769030/

【ご来場時のお願い】

　会場の沖縄市民会館の駐車場には限りがあります。大ホールに隣接する駐車場は、近隣の公共施設との共用駐車場で、混雑が予想されます。公共交通機関の利用をお願いします。時間にゆとりを持ってご来場ください。

県内の音楽文化向上へ

故宮良長包氏の功績たたえ創設　学校音楽の粋　広く紹介

　1956年2月22日、那覇市内のグランドオリオンで開かれた第1回全琉音楽祭は、開演前から聴衆が会場を埋め尽くし、1曲が終わるごとに大きな拍手が沸き上がった。

　音楽祭は、沖縄を代表する作曲家、故・宮良長包氏の功績をたたえるとともに、学校音楽の粋を広く紹介し、県内の音楽文化の健全な普及と発展を図るため創設された。

　当時の沖縄タイムス社説は宮良氏の足跡を取り上げ「芸術的薫りが高い郷土民謡から取材した多くの自作の作品によって、社会音楽と学校音楽を結び、その進歩と普及に一生をささげた琉球における近代音楽の開拓者であり、音楽教育史上、偉大な功労者」と評している。第1回運営委員の1人で、宮良氏をよく知る故・備瀬知範氏は「社会大衆にもっと良い音楽を」「庶民に音楽を近づけよう」と語り合い、古典芸能家と競演する舞台を打ち出したエピソードを本紙への寄稿で振り返っている。

　第1回が開かれた56年は、アイゼンハワー米大統領が琉球列島の基地の無期限使用を強調し、軍用地料一括支払いなどを盛り込んだ「プライス勧告」を撤回するため、住民は「島ぐるみ闘争」で抵抗していた。

　沖縄戦の爪痕が残り、米軍統治下の圧政で混（こん）沌（とん）とする社会情勢の中、学校音楽の輝かしい発展を目指し、「全琉音楽祭」は幕を開けた。

幕開け

県立芸大音楽学部 琉球芸能専攻（古典音楽斉唱）　かぎやで風節、恩納節、揚作田節

 

小学校の部

美里小6年3組（学級合唱）　生命（いのち）が羽ばたくとき

 

根路銘夏菜（名護小6年、独唱）　サウンド・オブ・ミュージック

 

城岳小6年（学年合唱）　明日の空へ

 

仲井真小6年（学年合唱）　いのちの歌

 

美東小音楽部（金管バンド）　あそびうたによる3つのカプリッチョ

 

石嶺小合唱団（合唱）　お日さま

 

中学校の部

石嶺中2年1組（学級合唱）　白いライオン

 

砂川莉子（安岡中2年、独唱）　Lascia　ch＇io　pianga（私を泣かせてください）

 

西原中3年4組（学級合唱）　世界を変えるために

 

南風原中（有志合唱）　群青

 

安岡中合唱部（合唱）　初心のうた/新しい明日へ

 

与那原中（吹奏楽）　マードックからの最後の手紙

 

高校の部

首里高（合唱）　にじ色の魚/女声合唱組曲　「天使のいろいろ」から未熟な天使

 

伊禮朱里（読谷高3年、独唱）　アベマリア/瞳

 

矢島苺空（開邦高2年、独唱）　オペラ〈ジュリオ・チェーザレ〉よりクレオパトラのアリア　Piangerò　la　sorte　mia（この胸に息のある限り）

 

那覇高吹奏楽部（吹奏楽）　Armenian　DancesPartI（アルメニアン・ダンスパートワン）

 

コザ高（クラリネット八重奏）　パーテル・ノステル

 

大学の部

高安まなか（琉球大4年 ピアノ独奏）　「リゴレット」による演奏会用　パラフレーズ

 

マーチングの部

名護高　LionKing　Medley/Jupiter

 

全琉音楽祭プログラム