1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

[社説]フジテレビ問題 背景含めて徹底調査を

沖縄タイムス+プラス / 2025年1月24日 4時0分

 タレントの中居正広さんの女性トラブルに端を発した「フジテレビ問題」で昨日、大きな動きがあった。

 「芸能活動は続けられる」としていた中居さんが突然、引退を表明。フジテレビとフジ・メディア・ホールディングスは臨時取締役会を開き、日弁連の指針に沿った第三者委員会の設置を決めた。

 引退しても説明責任はなくならない。会社がトラブルにどう関与し対応してきたのか。類似案件の有無なども徹底調査するべきだ。

 「週刊文春」によると、トラブルがあったのは2023年6月。同局の編成幹部や中居さんを含め、複数で食事する予定だったが、幹部らがキャンセル。女性は中居さんと二人きりで会食することになり「意に沿わない性行為」を受けたという。後日、女性は会社に性被害を受けたと訴えたが、会社側は中居さんの番組起用を続けた。

 雇用主ならば、社員を守るため早急に対処するのが当然だろう。なぜ女性の声に耳を貸さなかったのか。人気タレントとの関係を深めるため、女性社員を接待に利用していたのではないか、との疑いも出ている。

 フジテレビの港浩一社長は今月17日の会見で、女性社員らに性的行為を強いる接待が同局で常態化していた、との週刊誌報道に「ないと信じたい」と述べただけで、否定しなかった。

 旧ジャニーズ事務所の性加害問題は記憶に新しい。社会的な力を使って弱い立場の人間を利用する構造がテレビ業界の中にあったとしたら、許されない。

■    ■

 週刊誌報道でトラブルが明らかになった後、事態が動き出したのは、米投資ファンドの第三者機関による調査要求がきっかけだ。

 問題を巡るフジテレビの対応にも、批判が噴出していた。

 17日の記者会見では出席する記者を限定し、テレビ中継や動画撮影も禁止した。映像を生業とするテレビ局が会見からカメラを閉め出すとは、報道機関として責任放棄に等しい。

 記者の質問にも、女性のプライバシー保護を理由に「回答は控える」「調査委員会に委ねる」などと歯切れの悪さが目立った。

 被害者の人権を守ることはもちろん重要だが、「被害者保護」を隠れみのにして事件をうやむやにすることがあってはならない。

 フジテレビは27日に再度、オープンな形で会見を開くという。当然のことだろう。

■    ■

 港社長の会見後、同社へのCM提供を撤退する企業が相次ぎ、その数は70社以上に上っている。

 中居さん個人の問題だけではなく、テレビ業界全体への不信感や疑惑、怒りにもつながっている。

 男性中心の組織構造や企業風土が、性加害への甘さを生み出しているのではないか。背景にも切り込んでもらいたい。

 第三者委員会は3月末をめどに報告書をまとめ、提出するという。報道機関としての信頼を取り戻せるよう、徹底した調査が求められる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください