那覇で一番寒い時期は1月下旬 週末の雨の後、来週半ばはぐっと気温が下がるかも

 

　那覇では1年で最も気温が低いのは1月となっています。平年値を旬別に見ていきますと、1月下旬が最も気温が低くなっています。過去に沖縄での1月下旬の寒さと言えば、“雪騒動”があります。

過去に沖縄で雪が降った日

　沖縄気象台の観測開始以降、沖縄本島地方での雪の記録としては、1977年2月17日の久米島でのみぞれの観測と、2016年1月24日～25日の久米島や名護でのみぞれの観測があります。みぞれは気象の観測上は「雪」となっています。

　1977年は全国的に寒さが厳しく昭和38年1月豪雪、通称38豪雪（サンパチゴウセツ）と呼ばれ、沖縄地方では低温と霜による災害が発生し、異常寒波としての記録が残っています。

〈ひょう・あられ・みぞれ〉
雹（ひょう）…直径5mm以上の氷の粒のこと
霰（あられ）…直径5mm未満の氷の粒こと
霙（みぞれ）…雨まじりの雪

プロ野球キャンプインは気温上昇の予想

　那覇の2月9日(日)にかけての天気と気温の予想を見てみましょう。週明け1月27日(月)にかけての雨の後、沖縄地方には再び寒気が入ってきます。28日(火)から29日(水)の最低気温は10℃くらいの予想です。那覇の今季のこれまでの最低気温は11.5℃(2025年1月11日)を観測していますので、今季の最低気温を更新するような気温となるかもしれません。

　2月1日(土)のプロ野球キャンプインは現在の予想では、日差しがあって最高気温は20℃を少し超える可能性があり、県外からお越しになった方にとってはポカポカ陽気に感じられそうです。
その先9日(日)にかけては、寒気の影響を受けてこの時期の平年の気温を下回り、最低気温は13℃前後、最高気温は18℃前後となる予想です。2月上旬の天気は、雲が広がりやすい空模様でしょう。

週明けにかけて雨のピークは2回

　1月23日(木)は、沖縄近海を通過した低気圧の影響で沖縄本島地方や八重山地方などで雨が強まった所がありました。23日(木)の那覇の日降水量は50.0ミリとなり、日降水量が50ミリを超えるのは昨年11月以来2カ月ぶりのことです。那覇の1月の降水量の平年値は101.6ミリで、たった1日で半月に相当する雨が降ったことになります。

　沖縄地方の周辺にはまだ雨雲が残っていて、週末から週明けにかけて断続的に雨が強まるタイミングがありそうです。

　沖縄本島地方の雨のピークは25日(土)の夕方ごろで、26日(日)は宮古島地方、八重山地方にも雨雲がかかりやすくなりそうです。沖縄本島地方の2回目の雨のピークは27日(月)の未明です。雨の音で目が覚めてしまうような激しい雨が降る恐れもあります。

　部屋の窓がきちんと閉まっているか、雨で濡れたくない物が家の周辺にないかなど、お休み前に確認をお願いします。沖縄ではこの時期、県内各地で桜が開花していますが、週明けにかけての雨は桜にとっても試練の雨となりそうです。

　雨の後、27日(月)は寒気の影響で冷え込む予想です。強い北風も吹き付けますので、朝の通勤・通学の時間帯は寒さ対策をしていきましょう。

北国とは気象解説に大きな違い

　今週仕事で札幌へ行った際、休憩中に大通り公園をのぞくと、2月4日(月)からスタートする“さっぽろ雪まつり”の雪像の制作中でした。雪山の上にショベルカーが乗っていたのは衝撃の光景でしたが、地元のニュースでは、“今週の暖かさで雪像の表面が溶けてしまった”と伝えていました。20日(月)の札幌の最高気温はプラス5.4℃。プラスという表現は沖縄では考えられない解説です。

　現地の気象キャスターは“ダウンを着ると汗ばむ陽気”と表現しています。気象解説の大きな違いを改めて感じました。うちなーんちゅ気象予報士として、今後も各地との体感の差など、お伝えしていければと思います。

崎濱綾子
気象予報士/防災士（株式会社ウェザーマップ）
　沖縄県宜野湾市生まれ。ミスはごろもとして地元の観光大使を務める。RBC琉球放送でラジオ・テレビのリポーター、QAB琉球朝日放送で気象キャスターを担当。2005年に沖縄初の女性気象予報士となる。2005～2016年3月までRBC琉球放送の夕方のニュース番組で月～金曜日の気象キャスターを担当。2016年4月から東京の本社で勤務。Yahoo!ニュース動画出演・記事執筆を担当。Yahoo!ニュースエキスパート。好きな天気現象は、夏至南風（カーチーベー）。