「果物の王様」ドリアン、沖縄・石垣島で育つ 収穫は2030年 「かをり果樹園」が日本初の商業栽培に挑む理由
沖縄タイムス+プラス / 2025年1月28日 7時51分
沖縄・石垣島で日本初となるドリアンの商業栽培への挑戦が始まっている。「かをり果樹園」は2024年に約20本のドリアンの苗木を植え、順調に成長させている。冬の冷え込みで従来の栽培地より成長が遅いと予想し、30年ごろの結実を見込む。担当者は「亜熱帯果樹は需要があり、石垣島は育てる場所としてアドバンテージがある」と商機を捉え、「石垣島から新鮮な果樹を届けたい」と新たな農業の形を模索する。(政経部・金城紅映)
「果物の王様」と呼ばれるドリアン。独特の香りと濃厚な味わいで東南アジア諸国を中心に人気が高い。日本での商業用の生産はこれまでなかったという。
収穫から1週間程度が賞味期限で、輸入すると鮮度が落ちる。同社は台湾から苗木を導入し、台風に備えた鉄鋼ハウス内で温度や水やりを管理するなど独自の栽培方法を駆使する。「まずは花を咲かせること」を目標に取り組んでいる。
気温25度以上が生育に適している。石垣島では冬の気温が下がるため、15度を下回らないよう管理する。通常3~4年で実を付けるところ、それより遅れることを想定する。
同社はマレーシアの約10ヘクタールの農場で、約5トンのドリアンを生産、マレーシア国内の市場で販売する。一定期間「乾燥」させることや、枝の剪定(せんてい)などのノウハウを石垣島でも生かす。
同社によると台湾の高雄がドリアン栽培の最北端で、石垣島で成功すれば最北端になる可能性があるという。県内では本部町の熱帯ドリームセンターが研究用で栽培している。
同社は石垣島でドラゴンフルーツやスターフルーツ、グアバ、島バナナ、ジャックフルーツなど多彩な熱帯果樹の栽培に取り組んでいる。栽培面積は現在約1.7ヘクタール、5年以内に生産量50トンを目標とし、今後栽培面積や生産量を拡大予定という。
担当者は「石垣島は一年中、温暖な気候で亜熱帯果実生産に適している。収益性の高い稼げる農業として地域農業の発展を目指したい」と意気込んだ。
同社はドリアンの輸入販売やアイスクリームなどの加工品販売も手がける。「一人でも多くドリアンのおいしさを知ってもらいたい。ぜひ加工品からでも味わってみてほしい」とアピールした。
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