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宜野湾市の「西普天間」跡地、交通整備が急務 琉大医学部開学で周辺の渋滞懸念も

沖縄タイムス+プラス / 2025年1月30日 13時35分

琉球大学病院(右奥)が開院した西普天間住宅地区につながる現在整備中の市道23号。手前は国道58号=27日、宜野湾市伊佐

[リポート’25 宜野湾発]

 宜野湾市の米軍キャンプ瑞慶覧西普天間住宅地区の跡地に6日、琉球大学病院が開院した。4月には同大医学部の開学が控える他、今後は住宅や都市公園などが整備される計画で、周辺の渋滞対策が課題となっている。(中部報道部・砂川孫優)

 現時点で西普天間住宅地区へアクセスできるのは、同市新城側の県道81号から伸びる市道西普天間線のみ。

 国道58号から同地区にアクセスできる市道喜友名23号を宜野湾市が現在、整備中。琉大病院の開院に合わせて開通させる計画だったが、昨年9、10月の大雨などによる天候不良で工事が遅れており、3月末までに開通する計画だ。

 この他、同市喜友名側の県道81号から同地区に入る市道喜友名24号が開通予定だが、2026~27年度とまだ先だ。

年間27万4千人

 市地域公共交通推進協議会によると、琉大病院の外来患者見込みは年間約27万4千人で、病院と同大医学部の職員は計約1950人、学生は約1200人。

 職員や学生の7割以上が車で通勤・通学する可能性があり、4月以降、市の北側に位置する西普天間周辺の交通量が増加し、渋滞することが懸念される。

 琉大病院の開院から間もなく1カ月がたつ。県道81号を利用する市職員や周辺住民によると、出退勤時間帯の朝夕の交通量は増えているが、それ以外の時間帯は大きな渋滞などはないという。

 西普天間住宅地区に近い新城に住む50代の男性は、中部を東西に結ぶ県道81号の利用頻度は開院前から多いと指摘し、「渋滞が激しくなるのは西普天間の開発が進み、人が定着した後。普天間へのモノレール延伸など交通結節点を整備してほしい」と要望する。

モデルケースに

 西普天間住宅地区は2012年に施行された米軍基地など駐留軍用地に関する跡地利用推進法に基づく本格的な開発で、今後、県内の跡地利用計画のモデルケースとなるとされる。

 同地区の西側には、米軍のインダストリアル・コリドー地区(南側)が隣接する。時期は未定だが、約25ヘクタールが返還予定で、跡地利用計画案には「交通結節ゾーン」や商業施設などを誘致する「沿道商業ゾーン」が浮上している。

 宜野湾市の佐喜真淳市長は「返還時期を明確化させ、西普天間と一体的な整備を実現させる」と意気込む。

 跡地計画が緒に就けば、さらに渋滞問題が深刻化する可能性がある。

 沖縄総合事務局は昨年12月から国道330号の普天間交差点で、一部車線の運用を変更。県は本年度、普天間方面への沖縄都市モノレール延伸を見据えた調査を始めている。

 コリドー地区の交通結節ゾーンは、仮にモノレールが延伸されれば中部圏域の新たな公共交通網の中心を担う可能性もある。

 市は「今後の渋滞状況を踏まえながら、国や県と調整して渋滞緩和に取り組みたい」と述べた。

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