日本語の歌詞をエモーショナルに歌う ヨシムラタカシが“ベスト盤”アルバム「YOSHIMURA TAKASHI BAND」
沖縄タイムス+プラス / 2025年1月30日 14時55分
福岡在住で沖縄も拠点として活動するシンガー・ソングライターのヨシムラタカシの12曲入り新アルバム「YOSHIMURA TAKASHI BAND」が2024年12月10日にリリースされた。フルバンド編成で収録した12曲は、ライブで人気の曲や定番曲など、これまでの活動を凝縮したベスト盤的な立ち位置のセルフカバーアルバムだ。自身のプロフィルに「日本語の歌詞を無視できない声で歌う」と書かれているように、人生で感じてきたような感情や心の機微をエモーショナルに歌い上げるヨシムラタカシに、今作に込めた思いや、半生と今を聞いた。
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ヨシムラタカシ
宮城生まれ岩手育ち。2002年、18歳から沖縄で暮らし、2021年から福岡在住のシンガー・ソングライター。琉球大学在学中にバンド「ガガンBOYZ」を結成し、メンバーチェンジに伴い「GAGANBOYZ」と名を改め2枚のアルバムをリリース。2012年ごろから「ヨシムラタカシ」名義で弾き語り・バンド活動を開始。2017年12月のライブを最後に活動を中断するも、2022年4月に再開。福岡・沖縄を拠点に全国各地で歌っている。
前作「始まりのメロディー」から約1年半後のリリースとなった今作は、スウィングジャズ的なビートやホーンが心躍るダンサブルな「宇宙theストリッパー」や、中学時代に亡くした友人とその家族のことを温かな旋律と言葉で紡ぐ「友達」、疾走感あふれる雰囲気満載で「初代パチスロ北斗の拳」に対するラブソング「キラキラ」など、ヨシムラタカシワールドが全開の1枚となっている。これまで築いてきた仲間とのつながりで、県内の音楽シーンの一線で活躍する面々をメンバーに迎えたバンドの魅力も同時に味わうことができる。
一度楽器を処分⇒再出発で定番曲アルバム
―今作「YOSHIMURA TAKASHI BAND」のコンセプトを教えてください。
セルフカバーアルバムということで今まで出した音源に入っている曲から選曲しています。2017年末の活動休止からちょうど1年間一度もギターを触らなかったので、もう音楽活動は二度とやらないと音楽関係の物を全て処分してしまったんですよ。今活動する中で、ライブの定番曲が入っているアルバムを改めて作りたいと思いました。
昔から知ってくれている人からは「これはベスト盤だね」と言われます。収録曲で一番古い『スコール』は20歳ぐらいの時の曲です。CD世代なのでアルバムは「10~12曲で3000円」みたいなイメージがありまして、そのイメージに従って私のアルバムも3000円にしています。配信もしていますが、手に取れる、形に残るものとしてCDも作っていきたいと思っています。
―ソロの弾き語りでも、バンド形式でも活動されています。アーティスト名義が「ヨシムラタカシ」で、アルバムタイトルが「YOSHIMURA TAKASHI BAND」というのが斬新な印象です。
バンドが大好きなんですが、私が福岡在住でメンバーはみんな沖縄在住ということもあり、ライブの本数は圧倒的にソロでの弾き語りの方が多いです。ヨシムラタカシという名義を変えてしまうとなにかと面倒かなと思いました。「メインはソロ活動だけどヨシムラタカシバンドが大好き」を表現したいと考えた時に、バンドの名前をタイトルにしたらいいかなと。バンド名がアルバムタイトルになっているの、なんだか堂々としてていいですよね。
「みんな頼むから幸せに生きてほしい」
―1曲目の「ハッピーバースデイ」は、お父さんが末期がんを患っている時に作った曲とのことで、この曲を最初に持ってきたのにはどのような理由がありますか?
当時は父親の死期が近いことが分かっていて、励ましたくても言葉が見つかりませんでした。同時に自分の子供が成長していくのを目の当たりにして、生まれてきたこと自体が素晴らしいんだということを伝えたくて作りました。結局父親には聴かせられませんでしたが、今は皆を励ますような気持ちで歌っています。最近は年齢を重ねたせいか「みんな頼むからそれぞれの人生を幸せに生きてほしい」という気持ちで日々を過ごしているので、アルバム1曲目のひと言目から「おめでとう!」と言いたかったのが理由でしょうか。後の曲順はライブのセットリストを考える時の気持ちで組み立てました。
―沖縄と福岡の「二拠点ミュージシャン」は、なかなか珍しい存在なのではないかと思います。
人生で一番長く住んだ土地が沖縄で、音楽活動を始めたのも沖縄なだけあって、福岡に引っ越して活動再開してからも沖縄のライブにたくさん誘っていただいています。基本的には断らない。1、2カ月に1回は沖縄に来ますし、来た時に3本はライブを入れているので、今でも沖縄のライブが一番多いかもしれません。偶然こうなってしまったのですが、福岡は交通の便もいいし、に拠点になることでより活動しやすくなったと感じています。
生きていること自体をコンテンツのように
―いつも「ハットをかぶってジャケットを着る」というスタイルです。こだわりなどはありますか。
ソロ活動を始めた頃、人に覚えてもらうには「タモリさんのサングラス」のように自分をアイコン化するのがいいんじゃないかと思ったことがあって、それ以来ずっとハットとジャケットです。普段も基本的に同じ格好をしています。おしゃれじゃないので、着る物が決まっているのも楽でいいですね。自分の人生を切り取ったような内容の曲も多いので、生きていること自体をコンテンツみたいに捉えているのかもしれません。
―さまざまなプロフィルに書いている「もうやめないしいなくならない」というフレーズに込めた思いを教えてください。
一度完全に音楽から離れて、それまで付き合いのあった人とも関わらず、4年半ほど失踪していた時期がありました。当時の自分の状態がめちゃくちゃしんどかったのは事実なんですが、きっとどこかで「音楽はやめてもいいし、自分はいなくなってもいい」と考えていたんだと思います。
以前は「音楽が好き」ってはっきり言えなかったんです。「私程度が音楽を好きだなんて言えない」と思っていました。だけど今は自分はもうやめないと言えるくらい音楽が好きだって思いますし、もういなくならないと決意できるくらい、人のことも自分のことも大事に思えるようになりました。
―2025年、ヨシムラタカシとしてどのような展望を持っていますか。
変わらず元気で、変わらずいい曲を作って、たくさんライブをして、いろんな人に会いに行きたいです。また力をためて次のアルバムを出すための準備をしていきたいと思っています。ぜひライブに遊びにきてくださいね! 乾杯!
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