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絶対的エンターテインメントと少しモヤモヤ マイノリティーの本音と喜怒描く社会派サスペンスコメディー 東ちずるが映画プロデュース「まぜこぜ一座殺人事件」

沖縄タイムス+プラス / 2025年1月31日 18時0分

東ちづる

 俳優の東ちづるが企画・構成・プロデュースを担当した映画「まぜこぜ一座殺人事件~まつりのあとのあとのまつり~」が沖縄で初上映される。誰も排除しない社会を目指して活動する一般社団法人「Get in touch」が制作し、車いすユーザー、発達障がい、全盲、ダウン症、聾(ろう)、こびとなどの特性を生かして活躍するマイノリティーパフォーマーたちの本音と疑問、怒りと笑いが爆発する社会派サスペンスコメディーになっている。

 「この映画の目標は、一石を投じることです」と東は語る。「絶対的にエンターテインメントであるべきなので、楽しんでいただけると同時に、少しモヤモヤしてもらえると最高です。それを家族や友人に広げてほしいと願っています」と意図を明かした。

 観客や映画評論家らの反応も上々だという。東は「アフタートークが終わってもお客さまがなかなか帰らないことが多いんです。『見て良かった』『たくさんの人に見てほしい』という声が寄せられています」と手応えを語った。

 「まずは対等に出会って、一緒にいることで気付きを得ることが大切」と東は強調する。「対等な関係が必要」と述べ、障がい者やマイノリティーを特別視するのではなく、共に活動する中で自然と理解を深めていくことの重要性を訴えた。

 「この作品でも、障がいを克服するとか、ダウン症は天使だというステレオタイプではなく、さまざまな人たちがいるということを示したかった」と偏見や固定観念を超えた描写を目指したと説明した。キャスティングや脚本作りでも、多様性とプロフェッショナルのパフォーマーであることをテーマに据えたという。

 東は障がい者アートの可能性を探るシンポジウムや、性的少数者を含む人々が生きやすい社会を目指す「ピンクドット沖縄」などの活動で沖縄ともつながっている。「独特な文化や歴史に共感を覚えています。沖縄の観客にも多様性のメッセージを伝えたい」と意気込みを語った。

 脚本はエスムラルダ。監督は齊藤雄基。31日に那覇市の桜坂劇場で開幕する「沖縄NICE映画祭3」に出品され、東も来場する。また、31日から浦添市の「ローソン・ユナイテッドシネマ PARCO CITY 浦添」で上映され、2月1日は東とせやろがいおじさん、翌2日は東と中沢初絵によるアフタートークがある。(社会部・真栄里泰球)

 

(写図説明)東ちづる

(写図説明)映画「まぜこぜ一座殺人事件~まつりのあとのあとのまつり~」の一場面(c)2024 一般社団法人Get in touch

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