那覇軍港移設へのスタンスは? 西海岸開発どう進める? 浦添市長選 松本哲治氏と里道昭美氏にインタビュー
沖縄タイムス+プラス / 2025年2月2日 6時7分
[浦添市長選 2025.2.9]
【浦添】2日告示される浦添市長選は、4期目を目指す現職の松本哲治氏(57)=自民、公明推薦=と、市民団体「浦添西海岸の未来を考える会」世話人で無所属新人の里道昭美氏(67)の一騎打ちになる見通しだ。立候補にかける思いや選挙戦の争点、主な政策を両氏に聞いた。(聞き手=浦添西原担当・新垣玲央)
松本哲治氏「浦添の可能性を最大限に」
-4選を目指す理由は。
「福祉拠点整備や区画整理などやり残したことがある。公園遊具の改修など4年前にはなかった新たな問題も出てきた。那覇空港と西海岸の基地跡地を一体的に開発するGW(ゲートウェイ)2050PROJECTSもしっかりスタートさせ、後進につなぎたい」
-最も訴えたい政策は。
「区画整理や福祉拠点整備、公園遊具の改修・再整備もそうだが、新しいのはゴー・ゴー・ハイスクール事業。市制施行55周年を機に、市内8高校の9生徒会に55万円の予算措置を始める。高校生が夢を抱き、民主的な意見集約や選択する経験をしてほしい。給食費は最低でも小学校を市の独自予算で半額にして、小中ともに半額にする。県や他市の動向を踏まえ、さらに無償化まで検討したい」
-那覇軍港の浦添西海岸移設について。
「単に容認ではなく、長い時間をかけた苦渋の選択、受忍だ。国と翁長雄志前知事が提唱し、玉城デニー知事が継承して絶対に譲れないとした政策。私が反対して当選した時に翁長氏は受け入れず、せめて埋め立てを縮小してパルコ前ではない南側へとの意見は玉城氏が認めなかった。民港部分だけでもと埋め立て面積を縮小し、(現行計画の)ハンマー型の軍港が残った経緯は忘れてほしくない」
-キャンプ・キンザー跡地含めた西海岸開発は。
「キンザー跡地は、普天間飛行場にも那覇軍港にもない魅力がある最もポテンシャルの高い土地になる。西海岸は主要道路に挟まれ、海に面した場所。リゾートやビジネス、研究機関など可能性はいくらでもある。浦添だけの最大限の魅力を生かせるようにGW2050で位置付けたい」
-選挙の争点は。
「今回は私の3期12年間の評価が争点だと考えているが、軍港移設について相手候補が反対を掲げているので自然と争点化する。オール沖縄の在り方と、県や那覇市と足並みをそろえなければならないという苦渋の決断を浦添がしてきたことへの評価にもなる」
-有権者へ伝えたいことは。
「納得いかないことも市民にあると思うが、いつも悩みながら誠実に選択し、判断してきた。私の全ての政策とこれまでの実績、次の可能性も含め全体的な評価から判断してほしい」
まつもと・てつじ 1967年10月19日生まれ。浦添市宮城出身。カリフォルニア大学バークレー校修士課程修了。NPO法人代表理事を経て2013年に初当選し、現在3期目。
里道昭美氏「市政を変えて西海岸守る」
-立候補の理由は。
「軍港はいらない、浦添西海岸を大事にしたいという市民の思いをなかったことにはできない。現職は西海岸埋め立て容認、苦渋の選択と言うが、無投票になればただそれを認めてしまうことになる。反対する私たち市民の声を届けたい」
-最も訴えたい政策は。
「一番は埋め立てを容認している市政を変えて、西海岸を守りたい。あの海をそのままにして、キャンプ・キンザーが返還されてこそ浦添は発展する。子どもの学校給食費の完全無償化を実現し、18歳までの医療費無償化にも取り組む。地元業者を守るために公契約条例を制定し、労働者が働いた分、賃金が払われて豊かになる仕組みもつくる」
-那覇軍港の浦添西海岸移設について。
「造ることを前提に環境アセスメント(環境影響評価)が進んでいるが、軍港と民港部分が一体となった調査にはなっておらず、環境の視点からも問題がある。那覇軍港を返す、キンザーを早く返すから浦添に軍港を造れといったセット論がまやかしのように使われるのも許せない。市民を守るため、基地は絶対にいらない」
-キャンプ・キンザー跡地を含む西海岸開発は。
「あの海を守ってこそ跡地利用が生きる。自然と結びつくまちづくりを進め、市民が憩える場にしたい。(米軍の土地接収で)山に追われた市民が平地に戻って、海の近くにも住めるようなまちづくりがしたい。交通渋滞を緩和できるよう道路を整備し、行政の力で市民が暮らしやすい住居や施設なども提供したい」
-選挙の争点は。
「一番は軍港問題、浦添西海岸の埋め立てをどう考えるかだ。西海岸を守るため、民港もそうだが、特に軍港のための埋め立ては認めない。物価高騰の中、本当に市民の暮らしを守る市政になってるかも問いたい。給食費の問題が象徴的だが、子どもに限らず市民の暮らし、地元業者も守れる政策が必要だ」
-有権者に伝えたいことは。
「西海岸の海が埋め立てられて軍港が来ることを知っているか聞いても、知らない人が多い。争点にして市民に訴えたい。あの海があってこその浦添市の発展。米軍基地があることで性被害も広がっている。これ以上基地はいらない」
さとみち・あけみ 1957年11月20日生まれ。長崎県出身。国立長崎中央病院付属高等看護学校卒。長崎市役所勤務などを経て、2020年4月から新日本婦人の会県本部事務局長。
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