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湯船で入浴・散髪でほっこり 困り事を抱える家庭を支援 沖縄市のくじら寺子屋「大事にされると苦しい時に踏ん張れる」

沖縄タイムス+プラス / 2025年2月3日 17時44分

散髪室を案内し「セルフカラーも人気」と説明する山下千裕さん=1月14日・沖縄市海邦「くじら寺子屋」

 沖縄市海邦で学習支援や食料支援を中心にした居場所「くじら寺子屋」の2階には、ひとり親世帯や多子家庭向けのリフレッシュサービス「よんな~るーむ」が運営されている。部屋を貸し切り、入浴や散髪、洗濯など、衛生管理の機会を提供。代表理事の山下千裕さんは「ほっとできる場所で大事にされている実感があると、生活が苦しいときも踏ん張る力になる」と述べ、利用を呼びかけた。(社会部・大庭紗英)

 よんな~るーむは昨年9月、「休眠預金」を利用して立ち上げた。ひとり親世帯や多子家庭、病気療養中の人がいる家庭など困り事のある世帯が対象で、子どもと一緒でも親のみでも利用できる。

 利用時にはヒアリングを実施。アンケートなどで家庭状況や困り事を丁寧に確認し、必要があれば他の支援機関につなぐ。スタッフとの信頼関係を築く中で育児の負担や生活のしんどさを話し出す利用者もいれば、おしゃべりを 楽しみに訪れる人もいる。

 入浴メニューが人気だ。山下さんらがこれまでサポートした人の中には病気療養中の人もおり、医者から自律神経を整えるために風呂を勧められているという話を聞いていた。

 しかし、沖縄は自宅に浴槽がない家庭も多い。さらに「銭湯文化」が根付いておらず、県内の入浴施設は1回の利用で千円を超える所がほとんど。そのため、以前から「無料で湯船を利用でき、ゆっくりお湯に漬かれる場所」をつくりたいと考えていた。

 洗髪剤やせっけんのほか、入浴剤も使える。中には「ここで使いたい入浴剤を選んできた」と、家族のイベントとして楽しむ家庭もあるという。

 入浴の他、頭髪の手入れサービスも準備。多子家庭だと散髪費用もかさむため、希望があれば親やきょうだいが入浴している間、スタッフに子どもの散髪や洗髪を依頼できる。

 家にこもりがちな子どもたちにとって、美容室に行くのはハードルが高いケースもある。山下さんは「いきなり開かれた明るい場所に行くのは怖いだろう。ここで少しでも人目を気にせず、リラックスして整えられたら」と説明。その上で「今後、美容学校の学生さんに呼びかけたい。子どもたちの散髪を通して、学生さんの技術向上にもつながるような協力関係がつくれたら」との展望を描く。

 身の回りをきれいに整える環境をつくることは「あなたを大切にしている」というメッセージにつながる。だから「いろいろな洗剤や洗髪剤の種類をそろえておきたいし、もっと充実させたい。誰もが安心して使えるものがあれば、あなたが来ることを待っていたと伝わる場所になるから」と山下さんはほほ笑んだ。

 利用は予約制だが子どもだけの利用はできない。問い合わせはラインでQRコードから。時期によっては食料支援も行っている。

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