感動のフィナーレ!クインシー・ジョーンズ32年振りの来日公演レポート

OKMusic / 2013年8月2日 20時0分

7月31日@東京国際フォーラム ホールA photo by 矢部志保/PROMAX (okmusic UP's)

今年80歳となる音楽プロデューサー、クインシー・ジョーンズの32年振りとなる来日公演が7月31日(水)と8月1日(木)、東京・国際フォーラムで行なわれた。

第1部は亀田誠治がプロデュースするトリビュート・パート。『この曲に出会ってなかったら、今の自分はない』と絢香はマイケル・ジャクソンの「Human Nature」を、Kは『最初に耳コピした曲です!』ピアノの弾き語りでジェームス・イングラムの「One Hundred Ways」を、間奏ではMJハットを被ってダンスも披露したBoAは「Beat It」と、各々が自身の思いの詰まったクインシーゆかりのナンバーを歌う。土岐麻子(7月31日出演)はヘレン・メリルの「You'd Be So Nice Come Home To」を、JUJU(8月1日出演)はサラ・ヴォーンの「Misty」を、小野リサは「One Note Samba」と、クインシーがプロデュースしたジャズやボサノバ・ナンバーを歌い、それぞれの個性が表れた面白い選曲だった。三浦大知は4人のダンサーと共に、MJメドレーを披露。5000人のオーディエンスは圧巻のダンス・パフォーマンスに釘つけ。8月1日の公演ではゲストにMIYAVIが加わり、ギターとダンスのコラボで会場内から大喝采を浴びた。各々がクインシー関連のカバーをするなか、小曽根真は凄腕のミュージシャンが揃ったビッグ・バンド No Name Horses を率いてオリジナル・ナンバーを披露し、ジャズの神髄を見せつける。

異色だったのはMIYAVI × 沖 仁 × 上妻宏光(8月1日出演)の3人。ボーカル・ナンバーである「愛のコリーダ」をスラップ奏法ギター、フラメンコ・ギター、津軽三味線で、火花を散らすような熱すぎるコラボレーションで演奏。まさに音楽の格闘技を見てるようで、オーディエンスの土肝を抜いた。ラストは、ゴスペラーズが懐かしのディスコ・ソウルナンバー「Stuff Like That」を歌うと、観客は総立ちとなり、約80分のトリビュート・パートは終了。クインシーはこのパートを舞台下手袖に座ってじっくりと見ていた。『演奏中は舞台袖を見ないように意識してました!』とKがMCで語っていたように、パフォーマンスする側にとっては、クインシー学校の入学試験を受けてるような極度の緊張とプレッシャー状態だったようだ。

30分の舞台転換を挟んで、クインシー・パートが始まったのは21時過ぎ。クインシーのこれまでの軌跡をまとめたVTRが上映された後、幕が下りると待ちに待ったクインシー・ジョーンズが両手を挙げてステージに立っている。会場内は割れんばかりの歓声に包まれ『コンバンワ!ヨーコソ、ミナサン。オネガイシマス!』と日本語で挨拶し、指揮台に移ってタクトを振り下ろす。オープニングはスタンダード・ナンバーの「Air Mail Special」。ニッキー・ヤノフスキーの軽快なスキャット・ボーカルで始まり、ビッグバンドがゴージャスなサウンドを奏でる。続いてヒット曲の「キラー・ジョー/Killer Joe」。クインシーの指揮は80歳とは思えない程力強く、リズミカルだ。3曲目にはキューバ生まれの鬼才ピアニストが率いるアルフレッド・ロドリゲス・トリオが登場。ここからは、現在のクインシーが育てる若手ミュージシャンのコーナー。16歳の少年ギタリスト、アンドレアス・ヴァラディ、日本人のNATSUKOも参加するアジア5ヶ国選抜女性ユニットのBlush、弱冠12歳の天才少女ピアニスト、エミリー・ベアーに、門下生筆頭のカナダ出身の19歳ジャズ・シンガー、ニッキー・ヤノフスキーと、次世代を担うであろう若い才能が瑞々しい演奏を続ける。登場した7組の若手の殆どはジャズがベース。ソウル、R&B、映画音楽と様々なジャンルを手がけたクインシーだが、80歳となって自身のキャリアの出発点となったジャズへ原点回帰しているのだろうか。

この日、クインシーが連れてきたミュージシャンは米ポピュラー音楽界を支えてきた大物ミュージシャンが揃うスター軍団。音楽監督がグラミーを5回受賞しているジェリー・ヘイ。なかでも人気を集めたのは、「愛のコリーダ」「Off The Wall」「We Are The World」などでドラムを叩いてきたジョン・ロビンソン/JRと、TOTOのメンバーでもありMJ一連のアルバムに参加してきたキーボードのグレッグ・フィリンゲインズのふたり。メンバー紹介された時の客席からのレスポンスは群を抜いて多いQJバンドの2トップ。

そんなオールスター・メンバーが参加しての後半はパティ・オースティンでスタート。「愛のコリーダ」の貫禄のボーカルで広い会場内を響き渡らせかと思うと、2曲目はしっとりとしたバラード「愛してると言って(Say You Love Me)」。1コーラスを歌い終わった頃、ステージ下手からはシークレット・ゲストの松田聖子が登場。クインシーとは旧知の間柄だそうで、このサプライズは客席をおおいに驚かせた。続いて表れたのは、人気者のジェームス・イングラム。大ヒット曲「ジャスト・ワンス/Just Once」をじっくりと歌いあげ会場を酔わせたあと、2曲目に再びパティ・オースティンが登場。極上の甘いラブ・バラード「あまねく愛で/Baby Come To Me」をデュエットで歌う。3組のボーカリストは、「キャント・ストップ・ラヴィング・ユー」でのデュエットや、デンジャラス・ツアーにも参加しマイケル・ファンにはお馴染みのサイーダ・ギャレット。MJのツアーではエンディングに歌われていた「マン・イン・ザ・ミラー」を歌い出すや、場内には怒濤に近い歓声にあふれ、泣き出す人も。サイーダは同曲の作者でもありバックでコーラスも務めているだけに、まさに本物。この素晴らしいプレゼントに客席は最高潮に盛り上がる。

冒頭の2曲で指揮をした以降は、MCとしてひとりひとりのアーティストを紹介し、終始ステージに表れてきたクインシーが、再び指揮台に立ちタクトを振る。1973年にリリースされたアルバム「You've Got It Bad, Girl」に収められたディジー・ガレスピーのナンバー「マンテカ」。ビッグ・バンド・ジャズの神髄が堪能出来る名曲だ。そして、最後は日米オールスター参加の「ウィ・アー・ザ・ワールド」。スクリーンには歌詞が映し出され、ミュージシャン。プレイヤーと共に5000人のオーディエンスが参加した感動のフィナーレとなった。

時刻は23 時14分。なんと開始から4時間を過ぎる全28曲の長丁場だったが、長さを感じさせない素晴らしい一夜となった。

■QUINCY JONES The 80th Celebration Live in JAPAN セットリスト

2013年7月31日&8月1日@東京国際フォーラム ホールA

【トリビュート・パート】
<オリジナル・アーティスト>
MIYAVI × 沖 仁 × 上妻宏光/愛のコリーダ<クインシー・ジョーンズ>(8月1日のみ出演)
絢香/Human Nature <マイケル・ジャクソン>
K/One Hundred Ways <ジェームス・イングラム>
土岐麻子/You'd Be So Nice Come Home To <ヘレン・メリル>(7月31日のみ出演)
JUJU/Misty <サラ・ヴォーン>(8月1日のみ出演)
小野リサ/One Note Samba (+ Boggie Bossa)<クインシー・ジョーンズ/AL"Big Band Bossa Nova"収録曲>
小曽根真 featuring No Name Horses/Cave Walk~No Strings Attached<オリジナル曲>
BoA/Beat It (マイケル・ジャクソン)
VERBAL with 三浦大知, BoA/Soul Bossa (+ Back on the block) <クインシー・ジョーンズ/AL"Big Band Bossa Nova"収録曲>
三浦大知/(8月1日公演ではMIYAVIがゲスト参加) Smooth Criminal~Baby Be Mine~Billy Jean <マイケル・ジャクソン>
ゴスペラーズ/Stuff Like That <クインシー・ジョーンズ/AL"Sounds...and Stuff Like That!!"収録曲>
<トリビュート・パート・バンドメンバー>
石成正人/(g)亀田誠治(b)/河村"カースケ"智康(ds)/斎藤有太 (pf)/島健(arrange)/三沢またろう(Perc.)/森俊之(key)/大滝裕子(cho)/高尾直樹(cho)

<クインシー・パート>(曲目/演奏アーティスト)
01. Air Mail Special (jazz standard/1941) featuring Nikki Yanofsky
02. キラー・ジョー Killer Joe (al"Walking in Space"1969)
03. Invasion Parade/Alfredo Trio (Pf+2)
04. Answers/Alfredo Trio & Andreas Varady(G)
05. Miss Out/Blush (Vo)
06. For Clark/Justin Kauflin (Pf)
07. So Beautiful/Parker (Vo)
08. Ain't No Way/Nikki Yanofsky (Vo)
09. Something New/Nikki Yanofsky (Vo)
10. Diversity Medley/Emily Bear (Pf)
11. 愛のコリーダ Ai No Corrida (al"The Dude"1981)/Patti Austin
12. 愛してると言って Say You Love Me (al"End of A Rainbow"1976)/Patti Austin & Seiko Matsuda
13. ジャスト・ワンス Just Once (al"The Dude"1981)/James Ingram
14. あまねく愛で Baby Come To Me (AL"Every Home Should Have One"1981)/Patti Austin & James Ingram
15. MJ Overture 
16. マン・イン・ザ・ミラー Man In The Mirror (al"BAD"1987)/Siedah Garrett
17. マンテカ Manteca (al"You've Got It Bad, Girl"1973)
18. ウィ・アー・ザ・ワールド We Are The World/日米全出演者

<クインシー・パート・バンドメンバー>
ハウス・バンド音楽監督&キーボード:グレッグ・フィリンゲインズ (Greg Phillinganes)
キーボード:ランディ・カーバー (Randy Kerber)
ギター:ディーン・パークス (Dean Parks)
ベース:ニール・スチューベンハウス (Neil Stubenhaus)
ドラム:ジョン・ロビンソン/JR (John Robinson/JR)
パーカッション:パウリーニョ・ダ・コスタ (Paulinho Da Costra)
コーラス:リン・フィドモント(Lynne Fiddmont)、ジョリー・スタインバーグ(Jory Steinberg)、メラニー・テイラー (Melanie Taylor)
ビッグ・バンド音楽監督:ジェリー・ヘイ(Jerry Hey)

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