sads、梅田CLUB QUATTROにて圧巻のパフォーマンスを披露

OKMusic / 2014年5月12日 16時0分

5月5日(月) @梅田CLUB QUATTRO (okmusic UP's)

sadsが5月5日、梅田CLUB QUATTROにてライヴを行なった。

【その他の画像】sads

5月5日のこどもの日、雨の梅田CLUB QUATTRO。即ソールド・アウトとなった会場に詰めかけたロック・キッズは、sadsの4人が魅せる極上の大人の遊戯に酔い痴れた。この夜の公演はジュエリー・ブランドJustin Davisの企画によるもの。『Jewel Loves Rock Star』のコンセプトに相応しい、選ばれし者の艶やかな輝きを満員のオーディエンスが目撃したのである。開演前から、熱気とも湿気ともつかない魔的な空気が場内を支配していた。客電が落ち、SEが流れ出したが最後、約3時間にわたる演奏は、悪魔が微笑みかけているんじゃないかと思えるほどの興奮をキープして駆け抜けた。時間が経過するにつれて、観る者の身体に毒が回るかのようなパフォーマンス。そんな彼らの魅力に振り回される絶好のライヴであった。

現在のsadsは強靭なバンドだ。他の誰にも負けない、周りは関係ないという自信がステージ上に満ちている。最初から最後までフルスロットルで突っ込み、奏でれば奏でるほどに強くなる。とくに本編終盤からアンコールにかけての絶頂の連続には目を見張るものがあった。そしてこれが今の彼らのやり方なのだと理解した。床が抜けるかと思うほどに暴れるオーディエンスの悦楽の表情がすべてを物語っている。観ているうちに身体が勝手に反応してしまうような状況は、心底気持ちのよいものだ。時折挟み込まれるリラックスしたMCからも、彼らと観客との甘美な信頼関係がうかがえた。観客を突き放すかのような危うい発言さえも清春(Vo.)の愛情の裏返しとみるべきだろう。信じてついて来た者には、期待以上のものを魅せる。そんなsadsの心構えがファンにとってはたまらないはずだ。

それにしても、舞台上の4人の佇まいには惚れ惚れしてしまう。清春は妖艶な息を吐き、フロアとステージを扇動する。K-A-Z(G.)は魔人のごときリフを繰り出し、空間を切り裂いてゆく。GO(Dr.)の手足から放たれるドラムは電撃さながらに聴く者の身体を貫く。クボタケイスケ(B.)は雲の上を軽やかに舞うように、メンバーの個性を巧みにつなぐ。次々に披露される新旧のチューンを聴きながら思った。彼らには様々な経験を積み重ねてたどり着いた境地がある、と。たとえばモトリー・クルーの"Wild Side" をカヴァーしても、結果的に純度100%のsadsの曲になってしまうという強さ。これは凡百のバンドが出そうと思ってもなかなか出せない領域の業だ。現在のsadsには、綿密に計算された構築美に基づいたへヴィネスがある。さらに言えば、彼らの手にも負えないような嬉しい化学反応がつねに舞台上で起きているのかもしれない。そんな状況を愉しんでいる様子が、ステージを見守る我々にも伝わってくるのだ。

ご存知の通り、まもなく15周年を迎えるsadsは、6月から7月にかけて関東・京都での全7公演のショートサーキットを予定している。ツアータイトルは『Evil 7 playground』。まさに今のsadsにぴったりの象徴的な単語が並んでいることに注目したい。彼らはこの旅の中でも極めて濃密なステージを披露してくれるだろう。また、ツアー会場では、ニューシングル「spin」および現メンバーによる既発曲の新録音バージョンが収められた"リテイクアルバム"「erosion」も販売される。6月14日の千葉・柏 PALOOZAから始まる、妖しく煌めく遊び場をお見逃しなく。従来のファンはもちろんだが、彼らのライヴを未体験の人にこそ、ご覧いただきたい。そのパフォーマンスを目にすれば、自分が抱いていた固定観念や先入観が鮮やかに断ち切られるのがわかるはずだ。彼らに「初めて」を奪われ調教された後は、ひたすら快楽に溺れるのみ……。

sadsは観る者の本能に訴えかけてくる。その魅惑の爆音を全身に浴びて、心がまったく動かないとしたら、嘘だ。あまりにも華やかで色気のあるへヴィネス。一歩間違えば危険な領域に足を踏み入れてしまうであろうスリル。こんな奇特なバランスの上に成り立っているバンドは、世界を見回してもそうはいないだろう。どんな場に出ても、圧倒的勝利を収めることは彼ら自身にもわかっているはずだ。あの夜、梅田CLUB QUATTROにいた誰もがあと何時間でも演奏してほしいと望んでいたのではないだろうか。もっと次が観たい。そんなオーディエンスの渇望を舌なめずりして見下ろすsads。観客ひとりひとりの首筋に毒針を突き刺すようなロックスターの今後の展開に期待したい。

TEXT BY:志村つくね
PHOTO BY:河上 良

■【セットリスト】

M 1:HONEY
M 2:hate
M 3:See a pink thin cellophane
M 4:METAL FUR
M 5:WHAT'S FUNNY?
M 6:DEPRAVITY DAY
M 7:spin
M 8:GRAVE
M 9:WILD SIDE
M10:WHITE HELL
M11:FREEZE
DRUM SOLO
GUITAR SOLO
M12:evil
M13:for you
M14:Making Mother Fucker
M15:NIGHTMARE
M16:LIAR
M17:Amaryllis
-ENCORE 1-
M18:GOTHIC CIRCUS
M19:SANDY
-ENCORE 2-
M20:WASTED
M21:Because
M22:TAHNK YOU
-ENCORE 3-
M23:TOO FAST TO DIE
M24:Liberation
M25:CRACKER'S BABY

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング