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黒柳徹子『続 窓ぎわのトットちゃん』最年長での1位に感無量 前作から42年「あれ以上のものはもう書けないと思っていた」【オリコン上半期】

ORICON NEWS / 2024年5月31日 4時0分

黒柳徹子(写真/下村一喜)

 黒柳徹子の『続 窓ぎわのトットちゃん』(講談社/2023年10月3日発売)が、本日31日発表の『オリコン上半期“本”ランキング』のジャンル別「タレント本」で、期間内15.3万部を売り上げ、1位を獲得。歴代最年長となる90歳10ヵ月(1933年8月9日生まれ)での1位記録となった黒柳が、この受賞に際してオリコンのインタビューに応じ、喜びの声を寄せた。ここでは、その全文を紹介する。

【画像】黒柳徹子の42年ぶりの続編『続 窓ぎわのトットちゃん』

◆頑張って書いた甲斐があった…私の成長物語に「ダメだなあ」って、笑ってもらえたら

――受賞の感想をお願いします。

【黒柳徹子】 『続 窓ぎわのトットちゃん』を、たくさんの方が読んでくださったことを、とても嬉しく思っています。前作の『窓ぎわのトットちゃん』の舞台・トモエ学園は、落ち着きが無さすぎて小学校を退学になった私のために、母が見つけてきてくれた私立の小学校で、東京の自由が丘にありました。そこで私は、小林宗作校長先生に出会い、「きみは、本当は、いい子なんだよ」と何度も声をかけていただいたんです。



 『トットちゃん』がベストセラーになって、続編を望む声もたくさんありましたが、私にとってトモエ学園で過ごした日々ほどキラキラと輝いている出来事はなかったので、「あれ以上のものはもう書けない」と思っていました。42年ぶりとなった今回の続編では、ちょっと情けないことや恥ずかしいことも書いていますが、案外そうしたキラキラしていない部分に共感していただけたようで、思い切って書いてみて良かったです。

 『続 窓ぎわのトットちゃん』は、11歳から38歳までの私の成長物語ですが、とにかくいろいろと失敗してばかりなので、「ダメだなあ」って、笑ってもらえたら嬉しいです。

――最年長での受賞となりました。

【黒柳徹子】 「最年長受賞」ということで、頑張って書いた甲斐があったなあと思います。そういえばこの間、「文章が若い!」という感想をいただきましたが、読みやすさには自信があります。本を読むことが少し苦手なかたも、お手に取っていただけたら、一冊の本を読み切る達成感を味わっていただけるかもしれません。

◆戦中、疎開先での出来事も本書に「当時のことを思い出すのは、正直なところ少し辛かった」

――2年前に発売された前作は、昨年末アニメ映画化もされて話題を集めました。長年にわたって愛される理由は、何だと思いますか?

【黒柳徹子】 それはやはり、トモエ学園の校長先生である小林先生の教育の素晴らしさにあるのではないでしょうか。あとは、子どもたちの日々の冒険の中にある「ワクワク」は、いつの時代も変わらないということの証明だと思います。100年、200年先まで、読み継がれていってほしいです。

――本作について「記憶の中にある戦争と戦後のことを書いた」とコメントされています。前作発売から42年がたった今、続編の執筆および映画制作に至った経緯を教えて下さい。

【黒柳徹子】 「疎開先での出来事を書いておかなければ!」と思った、その直接的なきっかけは、ウクライナの戦争でした。戦火のなか、不安そうな子どもたちの映像をテレビで観ていて、「今までにいろんなエッセイを書いてきたけれど、家族で東京から疎開したときのことは、ほとんど書いていなかったなあ」と思ったのです。日本では、実際の戦争を知っている人がとても少なくなってきましたから、私のような体験者が「戦争は罪もない子どもたちも苦しめる」ということをちゃんと書いておいたほうがいいんじゃないか、と。でも、いざ書き始めると、当時のことを思い出すのは、正直なところ少し辛かったです。

 映画化の経緯としては、『トットちゃん』がベストセラーになったとき、いろんな映画監督から、「映画にしたい!」とお話をいただきました。他にも、漫画にしたいとか、舞台とかドラマとか、いろんなオファーがあったのですが、私は、(書籍の装画に使われた)いわさきちひろさんの絵がいちばんトットちゃんにぴったりだと思っていましたし、また、読者の皆さんお一人お一人の中にある「トモエ学園」のイメージを大事にしたかったので、ずっとお断りしていたんです。

 でも、「『トットちゃん』でアニメーション映画を作りたい」というオファーをいただいたときは、八鍬新之介監督が原作の大ファンで、本当に深く読み込んでくださっていて、その情熱に打たれて、「この人に任せてみよう」と思えたことも大きかったです。終盤のクライマックスのシーンも好きですが、時々挟まれる、私の脳内の空想映像が特に素敵だなと思いました。

◆私が子どもだったら、NiziUに入りたい…学生時代は「何をやってもうまく行かない」コンプレックスの塊だった

――本作では、ご自身が経験された挫折や、失敗談の数々も記されています。失敗しながらも自分らしく活動するためのアドバイスがあれば教えてください。

【黒柳徹子】 この本の第三章では、私の女学校時代と音楽学校時代のことを書いています。音楽学校にはオペラ歌手を目指して入学しますが、あえなく挫折。当時の私は、「何をやってもうまく行かない」コンプレックスの塊みたいなところがありました。

 でも、今になって思うのは、もしも私が、もっと早くもっとスムーズに自分のやりたいことを見つけて、それを仕事にしてしまったら、途中で「なんか面白くない」と思っていたに違いない、ということです。ドラマでも映画でもなんでもそうですが、順風満帆に、思い通りに進む人生なんて、はたから見たらあんまり面白くないし、当人にとっても別段、記憶に残る体験にはなりません。それにやっぱり、自慢話より、失敗談のほうが笑えるでしょう?

 新生活をスタートさせたばかりの方は、もし失敗しても、「ネタが増えたぞ、ラッキー」と思うようにして、日常の中に、一つでも多くの楽しいことやワクワクすることを見つけていっていただきたいです。『続 窓ぎわのトットちゃん』では、私にとってのいろんな「始まり」のエピソードを書いています。つまずいてばかりだった私の数々のスタートも、きっと笑ってもらえるんじゃないかと思います。

――オリコンでは、音楽のランキングも発表しているのですが、最近気になったアーティストはいますか?

【黒柳徹子】 NiziUです! あんなに可愛いのに、ダンスも歌もとっても上手! 大勢いらっしゃるけど、皆さん個性的で、それでいて仲もいい。私が子どもだったら、「NiziUに入りたい!」って思ったんじゃないかな、なんて思います。

――最後に本作を手に取っていただいた方々にひと言お願いします。

【黒柳徹子】 私は、子どもの頃から今までずっと「本はともだち」だと思っています。読んでくださった方が、『トットちゃん』と昔からのともだちのような気持ちになってもらえたら嬉しいです。

『オリコン“本”ランキング』は「2008/4/7付」よりスタート。
【集計期間】2023/12/4付~2024/5/27付(実質集計期間:2023年11月20日~2024年5月19日)

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