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佐野晶哉、大先輩・平泉成との共演に刺激「58年後の目標ができた」

ORICON NEWS / 2024年6月5日 9時0分

(左から)佐野晶哉(Aぇ! group)、平泉成 (C)ORICON NewS inc.

 60年のキャリアを誇る俳優・平泉成(80)と、先月デビューを果たしたアイドルグループ・Aぇ! groupの佐野晶哉(22)が、映画『明日を綴る写真館』で共演する。年の差58歳の2人の男性を中心に、誰もが抱える人生の“想い残し”をテーマにした作品だ。写真館を営む無口なカメラマン・鮫島を演じた平泉と、気鋭のカメラマン・太一を演じた佐野が、本作の撮影秘話や共演して感じたお互いへの想いを語った。

【写真】佐野晶哉“太一”の新たな場面カット

■80歳での映画初主演に驚き 「こんなこともあるんだな」

――まずは平泉さん、80歳で映画初主演、おめでとうございます。今、どんな気持ちでしょうか?

平泉成:コツコツやってきたけどさ、「今? こんなこともあるんだな」って(笑)。



――お2人は本作を手がけた秋山純監督の映画『20歳のソウル』でもご一緒されていますが、再び共演されてみていかがでしたか?

平泉:佐野くんは礼儀正しくてチャーミングな人だなと、改めて思いました。彼は前髪が長いから「目が見えねぇじゃねぇか!」と思うこともあったんだよ。ところがだんだん“かっこいいな”と感じ始めてさ、僕もやってみようかなと思ったんだけど…(笑)。

佐野晶哉:これは笑っていいのでしょうか?(笑)

平泉:ね? 佐野くん真面目でしょ? こんな感じで、心が真っ直ぐだから芝居もスっと受けていくんですよ。そこがすごく素敵だなと思って。僕は「よーい、スタート!」って声が聞こえた瞬間から、それらしい顔をして身構えたりするんだけど、彼はカメラが回っても動じることなく普通の顔をしてるわけ。そこがいいんだよね。

佐野:今の言葉めちゃくちゃうれしいです。『20歳のソウル』では、神尾楓珠くん演じる大義のおじいちゃん役を成さん、大義の同級生役を僕が演じました。撮影の時に同級生役のキャストを数人集めて、成さんが写真を撮ってくれたんです。その時から“成さん=カメラが好きな方”という印象を持っていたので、秋山監督から太一は成さん演じる鮫島に弟子入りするカメラマンだと聞いて、“やっぱりカメラが趣味やったんや”と思ったのと同時に、再共演できることにワクワクしました。

――平泉さんはいつ頃からカメラを始めたのでしょうか?

平泉:5、60年前にフィルムカメラが趣味でいろいろ撮っていたんだけど、ある時突然やめちゃおうって思ってカメラを全部処分しちゃったの。でも、子どもが生まれてからまた一眼レフを買って、そこからずっとカメラは触ってるね。今回は趣味ではなくプロの写真家の役だったから、撮影監督のひゃっくん(百束尚浩)にいろいろと教えてもらいながら演じました。

――佐野さんもカメラが趣味だと伺いました。

佐野:僕は本作のお話をいただく2ヶ月前ぐらいに、ミラーレスカメラを購入したんです。そしたら秋山監督からカメラマン役のオファーをいただくという偶然があったのでとても驚きました。しかも劇中で使用する太一のメインカメラが、僕が持っているものの後継機種だと知って、さらにカメラに運命を感じましたね。

――それは運命を感じますね。普段はどんなものを撮影するのですか?

佐野:普段はグループのメンバーや家族、友達を撮ったりするのが好きなので、映画の最初の頃の“人物を撮らない太一”とは正反対なんですけど、演じるからには固い殻に閉じこもった太一の気持ちにも寄り添えるようにならないと、と思って、普段は行かないような足場がちょっとごつごつした場所で、人物を入れずに風景や物だけを撮ったりして役作りしました。

――太一がカメラを持った手を下に降ろして、ファインダーを覗かずにローアングルで撮っているシーンがありましたね。

佐野:現場で撮影監督の百束さんから「ファインダー越しに見えるものだけじゃなく、肉眼で見たものに反応してシャッターを押すぐらいの冷酷さが太一にあった方がいいんじゃないか」とアドバイスをいただいて、それでお芝居中にああいう撮り方をしてみました。プロのカメラマンさんからいろいろな撮り方を教えてもらって、勉強になることばかりでしたね。

■滞在先のホテルで聞いた平泉の“やんちゃ話”

――撮影は愛知県・岡崎市で行われたそうですが、お2人は現地でお食事に行かれることもあったのでしょうか。

佐野:ありました。“食事会”は1回だけでしたけど、滞在していたホテルのロビーがみんなのたまり場になっていて、おしゃべりしたくなったらロビーに行けば誰かがいる…みたいな感じやったんです。そこで成さんがお酒を飲んでらっしゃることもあって、隣に座って成さんのお話を聞いている時間がめちゃめちゃ幸せでした。

平泉:部屋でじっとしているなんて退屈でつまらない(笑)。ところで僕、佐野くんに迷惑かけなかった? いろいろ語っちゃったからさ…。

佐野:迷惑なんてそんな。僕にとってすごく素敵な時間でしたよ。

平泉:なら良かった(笑)。

――その時はどんなお話をされたのでしょうか。

平泉:「今、君たちの時代は大変だね。週刊誌とかもうるさかったりで。僕らの時はそんなこと考えないでよかった」みたいな話ばっかりしていたかな?

佐野:はい。その流れで、成さんのやんちゃ時代の話もいろいろと聞かせていただきました(笑)。

平泉:「僕らの時代は…」みたいな話はたくさんしたのかもね(笑)。

佐野:成さんとたくさんお話させていただいたおかげで、太一という人間への理解が深まったと思うので、そういう時間を作ってくださって本当に感謝しています。

平泉:そう? なんだかね(笑)。

――お2人はそれぞれ、太一や鮫島と重なる部分はありましたか?

佐野:監督は「変に肉付けして役作りするんじゃなく、そのままでいてくれたら太一になるから」とおっしゃってくれたのですが、そのままの自分で太一を演じられる自信がなくて、クランクイン前に脚本を担当した中井由梨子さんとお話させてもらったんです。そしたら「原作の太一は人とコミュニケーションを取ることができない人だけど、佐野くんに当て書きしながら脚本を書く中で、“できない”じゃなくて“しない”に変更したんだよ。“意思を持って人付き合いをしないというクールな部分”が佐野くんにもあると思うから」とおっしゃったんです。その時に「なるほど」と腹落ちして。自分では気づかなかったけど、そこが太一と重なる部分かもしれないですね。

平泉:台本に書いてあることを、どう解釈して、どう表現していくかを考えるのが僕ら演者の仕事。でも今回は余計なことを一切考えず、お芝居しようと思ったんだ。そうしたら「僕は今、鮫島なの? 平泉成なの? どっちなの!?」って言うほど、うまく同化できたような気分を愉しむことができましたね。

――平泉さんと共演されたことで、佐野さんは俳優としての目標が高くなったのではありませんか?

佐野:間違いなく目標は高くなりましたね。アイドルをしていると雑誌のインタビューなどで将来のことを聞かれることが多いので、5年後、10年後の姿は想像してみたことがあるのですが、今回成さんといろいろお話していく中で初めて、“58年後もお芝居を続けていたい”と思えるようになって。成さんのおかげでその先の目標まで考えられるようになりました。役者として尊敬していますし、“人間力”を盗みたいと思うぐらい成さんは素敵な先輩です。

平泉:いやいや、うれしいことを言ってくれますね。今は目先のことを考えず、自分がやりたいことを堂々チャレンジするのみ! それが佐野晶哉にとってきっと大きな糧になると僕は思うよ。

文/奥村百恵
写真/山崎美津留

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